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平成11年1月29日  
株式会社エヌ・ティ・ティファシリティーズ  


高効率の冷温水取出しコージェネレーションシステムを開発



株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ(代表取締役社長田中順三:以下NTTファシリティーズ)は、クリーンな都市ガスを燃料とするガスエンジン発電機と、新規開発した「排熱直接変換吸収冷温水機」とを組合せ、冷温水を取出せるコージェネレーションシステム<CGS>を開発しました。図1図2を参照)
本システムでは冷房用途にも排熱を十分に利用するために、効率の良い排熱回収技術の開発および、冷温水機への排ガス投入を中心とする高効率な冷熱変換技術の開発を行いました。
その結果、同じエンジン排熱を用いながら、従来の温水回収方式と較べ最大1.5倍の冷凍能力が実現し、総合効率は世界最高水準の83%に達します。
更に制御盤等を小型化、統一化し、システムの構成機器をコンパクトなパッケージに組込んだので、設置面積が減少し低コスト化が図れるうえ、設計・施工が簡易化されます。
これらの工夫により、冷房需要の多い建物を主体とする広範な建物に熱電併給システムの適用が容易になります。

参考:図3図4




製品の特徴
総合効率
開発システムでは、従来冷熱変換には利用できないと思われていたインタークーラーやオイルクーラーからも熱回収を行っており、世界最高水準の総合効率約83%を実現します。
高効率熱変換
エンジン排ガス・冷却温水を直接熱利用するため冷熱変換効率が大きく向上、熱回収量の改善と合わせ、従来型温水回収方式CGSに較べ最大1.5倍に近い冷熱製造が可能となりました。
図5参照)
良好な環境性
総合効率を高め、高効率熱変換を実現したことで大幅な省エネが可能です。これに伴ないCO2排出量も減少します。図6は375kWの電力需要と150RTの冷熱需要を同時に処理する際のCO2排出量で環境性能を比較した例です。従来の処理方法として火力発電所とガス焚吸収冷凍機の組み合わせを基本にすると、ガスエンジンと排熱温水吸収冷凍機を使う従来の CGSではガス焚吸収冷凍機の運転が節約でき、CO2排出を20%削減できますが、開発システムを利用すれば冷熱需要をすべて排熱で賄うので約30%まで削減することが可能です。
排ガスエゼクタの採用
排ガスを利用する機器では酸性化合物による機器の腐食防止が課題となります。一般的には化合物の元となる排ガスを機器の中に滞留させないようにファンで排気することで対策しますが、ファンや電力を必要とするためコストアップの原因となります。そこで今回のシステムでは排ガス圧力を利用して高温再生器内を掃気する、「セルフパージシステム」を新開発しました。このシステムは電力源を使わずに缶体の腐食を防止し、信頼性を向上させます。
常用防災兼用可能
非常時に冷温水ユニットを熱回収サイクルから切離し、エンジンを独立運転できるので、常用防災兼用発電設備にすることが可能です。
高稼働率制御
エンジン排熱を優先的に利用する制御システムを標準装備。温水と冷水を同時供給できるので、中間期の稼働率を高くできます。
省スペース・低コスト
発電機ユニット、冷温水ユニット、補機類をコンパクトにパッケージ化しました。
冷温水ユニットは、熱交換器等の構成機器が少なく、従来機よりも設置面積が減少するため、導入コストも低減できます。図7参照)従来はエンジンと冷温水機それぞれに必要だった冷却塔も一基に統合し、図8に比較するようにシステム全体の簡易化を図りました。
設計・施工の簡略化
エンジンの排ガス・排温水をユニット内で処理するので、熱回収設備の設計が不要です。
各ユニットを設置するだけで高効率のCGSが完成します。各ユニットは、直接接続する直列配置が理想ですが、狭隘スペースではエンジン周り部分と冷凍機周り部分とを分離した状態でのフレキシブルな設置も可能です。図9参照)
その他
バーナを持たないためエンジン発電機ユニットと冷温水ユニットとを一体としてエンジン室に設置可能です。

開発技術のポイント
排熱直接変換吸収冷温水機の開発
今回熱伝導率の良いインナーフィン型熱交を利用して小型で高効率の排ガス用高温再生器を開発すると共に、熱交換器等の腐食を防止するためにエンジン排ガスを利用したエゼクタによる掃気構造を開発したことでエンジンの排ガスを冷温水機に直接投入することが出来るようになりました。
排熱直接投入方式では排ガスの保有熱を有効に高効率に冷熱変換できるとともに、更にエンジン冷却温水を冷凍機が有効に作用する温度まで昇温させることが出来るため、製造できる冷熱量が大きく増えます。
小型・一体化
発電機ユニット、冷温水ユニット、補機類をパッケージ化しました。開発したシステムは、エンジンからの排熱回収・発電効率を高める工夫を凝らすと共に、新規開発した排熱直接変換型冷温水機を用いることで、従来必要とされた熱回収用熱交換器を廃止し、更に制御盤等を小型化、統一化してエンジンと冷温水機とを一体のベースに設置出来るようにしたものです。
熱交換器等の構成機器が少なく、接続配管もコンパクト化できます。冷却塔も統合しており、設置面積が減少し、導入コストも従来と比較し低減出来るので、冷熱を沢山必要とする建物への適用が非常に有利になります。

今後の予定
本システムは基本的な開発を終了し、現在商品化仕様を検討中で、200kWから800kWのシリーズ化を行い、平成11年度第三四半期に市場への提供を予定しています。



【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。
予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。


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