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平成12年8月1日  

建物環境性能/投資シミュレーションシステムを開発

-環境配慮型建物の企画提案に活用-


NTTグループの総合エンジニアリング企業、株式会社 エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ(代表取締役社長 陰山照男-以下NTTファシリティーズ)は、建物に取り入れられる環境技術や環境対策のレベルに応じて、建物全体の環境性能と環境コストを把握することができる「建物環境性能/投資シミュレーションシステム」を開発しました。
このシステムでは、各種の環境技術や環境対策を様々に組み合わせて建物に導入した場合の環境効果と、それらの環境技術や環境対策の導入がイニシャルコスト及びランニングコストに及ぼす経済効果を評価することが可能です。
このシステムを建物設計の企画・計画段階に用いることにより、投資対効果の観点から環境技術・環境対策を最適に組み合わせた環境配慮型の建物を実現することができます。今後は、様々な建物用途や建物規模に対応した環境データベースを充実させるとともに、環境配慮型建物の企画提案において活用していく予定です。


1.開発の背景とねらい
近年、建築分野の環境対策として、建物の計画段階から、その建物の建設・運用・改修・解体・廃棄の各段階で発生する環境負荷を予測して、それらを可能な限り低減するように配慮した建物設計(いわゆる「グリーン設計」)があります。環境負荷の発生そのものを削減しようとするグリーン設計の手法は、建築分野における地球環境対策として最も有効な手段の一つといえます。

しかし、現在のグリーン設計は、設計した建物から発生する環境負荷を予測することを主な目的としています。そのため、当該建物の設計内容に取り入れる環境技術・環境対策に関して、環境負荷の低減効果に基づき最も効果の大きい環境技術や環境対策をシミュレーションによって確認することや、投資対効果の観点から環境技術・環境対策を取捨選択することは困難でした。

このような背景から、NTTファシリティーズは、建物の企画・計画段階において利用するシステムとして、導入すべき環境技術・環境対策の最適な組み合わせ方法を、試行錯誤的に繰り返し比較検討可能な「建物環境性能/投資シミュレーションシステム」を開発しました。環境負荷削減効果に加えて、投資コストに対する環境効果まで評価することができる先進システムとなっています。
2.開発したシステムの特徴
(1)
環境技術導入に伴う環境負荷の削減効果を把握できます。(図1,図2)
 
省エネルギー量やCO2削減量などの環境指標を用いて、建物に各種の環境技術を導入し た場合の環境負荷の削減効果を定量的に把握できます。

【環境指標】
省エネルギー量、廃棄物削減量、給水削減量、CO2削減量、ライフサイクルエネルギー削減量、ライフサイクルCO2削減量 の計6項目
図1
図1

(2)

環境技術導入ケース毎の環境負荷の削減効果について比較ができます。
 
環境技術を様々に組み合わせた場合の環境負荷の削減効果を各環境指標ごとに比較して、 建物に導入すべき環境技術の最適組み合わせ案を評価することができます

(3)

環境技術導入に伴う投資対効果を把握できます。
 
建物に環境技術を導入した場合に期待される環境負荷の削減効果と、それに要するイニシャルコスト増加分の相関や単純回収年数を把握できます。また、ランニングコストの削減効果も把握できます。
3.開発したシステムの概要
 ・「Windows95/98/2000」に対応
・表計算ソフト「Microsoft Excel97/2000」が必要
4.システムの構成
(1)
入力部分…
建物に導入する環境技術や環境対策の内容を選択

(2)

出力部分…
1. 環境指標(省エネルギー量、廃棄物削減量、給水削減量、CO2削減 量、ライフサイクルエネルギー削減量、ライフサイクルCO2削減量) の分析結果を表示
2. 導入環境対策の複数ケースについて、環境効果の比較図を表示
3. 対策に必要なイニシャルコストに対する環境負荷削減率による投資対効果の相関図を表示
5.今後の予定
 今後は、「建物環境性能/投資シミュレーションシステム」を環境配慮型建物の基本設計における企画業務やコンサルタント業務に活用し、環境共生を目指した建物や都市を提案していく予定です。
 用語の説明
「Windows」は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
 「Microsoft Excel」は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録 商標です。
【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室
MAIL:pr@ntt-f.co.jp
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予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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