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1.開発の背景・ねらい |
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一般に、高度な信頼性が要求されるiDC(インターネット・データセンター)*4機械室や電話局の通信機械室においては、規格化されたラックに収納されたコンピュータ・IP系装置が二重床上に設置されています。しかし最近では、通信ラックの奥行や重量の多様化が進み、高度な信頼性を確保した上で二重床の柔軟かつ容易な対応とコストダウンが新たな市場ニーズとして浮上してきました。
日本国内のiDC市場は平成18年度には平成13年度比で約3倍の増加が予測される市場であることから(総務省調べ)、NTTファシリティーズおよび上記4社は共同で新たな市場ニーズに対応するアルミ二重床の開発を進め、日本で初めて「IT装置収容室用アルミ二重床」の開発ならびに量産化に成功しました(図1・図2)。
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2.製品の特徴 |
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本製品の特徴は以下のとおりです。また二重床のアルミ化によるメリットは図3のとおりです。
(1) |
軽量化による取り扱い容易性の向上 |
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スチール二重床と比較して約50%という大幅な軽量化を実現したことで取り扱い
が容易となり、工事の際の床パネル脱落による配線損傷などの事故の解消につながります。 |
(2) |
新工法の採用によるコストダウンを実現 |
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脚フレーム(架台)に装置の奥行方向寸法に対するに追従性を持たせるなど架台ユ
ニットおよび脚フレーム(架台)の設置方法に新たな工夫を施すことで、奥行90cm・120cmといった大きな装置・ラックにフレキシブルに対応することが可能です。また、施工に不可欠な水平レベル出し*5が容易になる(注1)など工数が半減し、施工時間の大幅短縮、施工費用の削減が実現します。
注1)図4に示すように、長尺のビーム(架台梁:2.4m)の両端に脚フレームを仮留めした状態で水平レベルを出すことで、ビームを水平に設置することができます。これにより中間脚フレーム部ではレベル出しを省略することが可能になります。
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(3) |
震度7クラスの耐震性能 |
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NTTファシリティーズのもつ高性能な3次元振動台で、震度7クラスの大地震時に揺れが最大となる中高層建築物の上層階で想定される地震波による(屋上は除く)振動試験を実施し、スチール二重床と同等以上の耐震性能を有することを確認しています。 |
(4) |
スチール二重床と同等の仕様・規格の遵守 |
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ラックや空調・配線等との整合についても、スチール二重床と同等の仕様・規格を遵守した製品となっています。さらに、本システムは既存スチール二重床との併用も可能で、データセンター機械室や通信機械室などの拡張ニーズにも対応できます。 |
(5) |
環境負荷を軽減 |
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アルミという素材の特徴を活かし、優れた耐食性、静電・電撃防止機能に加え、高いリユース性・リサイクル性により環境負荷を軽減します。 |
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3.今後の取り組み |
本システムは、NTTグループのIT装置収容室用に開発したもので、今後はNTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ等の通信機械室やデータセンター機械室などのIT装置収容室をはじめ、通信会社・放送会社など民間企業にもご提供していく予定です。 |
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5.用語の解説 |
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ビーム(架台梁):
一般的には上からの荷重を支える長尺の構造材のこと。この二重床システムでは等間隔に設置された複数の脚フレーム上部に60cmの間隔をもって橋渡しされた部材で、装置を載せる部分。 |
*2 |
脚フレーム(架台):
上記ビーム(梁材)を支えるアルミ鋳物製の門型の構造材。この二重床システムの固有もの。 |
*3 |
架台ユニット:
上記ビーム(架台梁)と脚フレーム(架台)からなる構造体のこと。ラックや装置はこの架台ユニット上に固定される。 |
*4 |
iDC(インターネット・データセンター):
インターネット時代のデータセンターのこと。WWWサーバやメールサーバ等EコマースやASPサービスに用いられるサーバ等の、設置場所を提供するハウジングサービス、サーバも貸与するホスティングサービス、サーバの運用・管理の代行サービス等を提供するインターネットインフラ設備のことである。高品質な回線と安全な場所、24時間体制の管理運営サービスを合わせた統合的なインターネット環境を提供する。 |
*5 |
水平レベル出し:
上記ビーム(梁材と)が水平になるように調整すること。 |
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【本件に関する報道機関からのお問合せ先】 |
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp |
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