平成16年6月14日

株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ
音羽電機工業株式会社

業界初、新JIS対応の雷保護診断システムを開発

 NTTファシリティーズ(東京都港区、代表取締役社長 布谷龍司)は音羽電機工業株式会社(兵庫県尼崎市、取締役社長 吉田修)の協力のもとに、新JISに対応して建物に雷撃を受ける可能性を容易に把握できる「雷保護診断システム」を開発しました。
 また、同システムによる診断結果に基づき、雷害対策に関するコンサルティングから設計・工事・保守まで、IT時代の総合的な雷害対策サービスを6月15日から開始します。
1.開発の背景と狙い
 近年、情報通信システムやIT機器の雷害が増加しています。この要因としては、(1)LSI駆動電圧*1の低電圧化、高集積密度化による過電圧耐量の脆弱化、(2)ネットワークに接続される機器の増加、(3)通信装置は電源線、通信線、接地線と雷サージ*2の入出口が多くなっていることが挙げられます(図1)。

図1:雷サージの侵入経路

 雷は情報通信機器の破壊を引き起こすばかりでなく、その他にも誤動作、データの消滅等があり、まさにIT社会における脅威の存在となっています。
 また、2003年7月にJIS(JIS A4201:建築物等の雷保護*3)が改正され、建築物の種類により具体的に保護角や接地抵抗値等が詳細な数値で規定された「仕様規程」から、建物の周囲の状況や被災時の影響の大きさ等を考慮して保護レベル*4を自己責任で決定する「性能規程」に変更となりました。新JISでは受雷部システムの保護領域*5が建物の高さや保護レベルによって異なっており、従来のJISでは保護領域に含まれていた部分も、新JISでは非保護領域となるケースもあります(表1、図2)。具体的な対応についてはユーザ(ビルオーナー等)の責任で専門技術者と相談して決定する必要があります。
表1:保護レベルに応じた保護領域
保護
レベル
回転
球体法
R(m)
保護角法 h (m)
メッシュ

(m)
保護
効率
20 30 45 60 60超過
α(°) α(°) α(°) α(°) α(°)
I 20 25 * * * * 5 98%
II 30 35 25 * * * 10 95%
III 45 45 35 25 * * 15 90%
IV 60 55 45 35 25 * 20 80%
R:回転球体法の球体半径
h:地表面からの受雷部高さ
α:保護角法の角度
*:回転球体法及びメッシュ法だけを適用する。
図2:角度法と回転球体法による保護領域
 さらに、雷から建物・装置類を守るには、外部雷保護システム*7、内部雷保護システム*8による総合的な対策を実施することが重要となります。
 NTTファシリティーズと音羽電機工業では、このような問題を解決し、社会のより安全・安心・安定したIT基盤構築に寄与するため、新JIS対応の「雷保護診断システム」を開発し、本システムを活用した雷害対策コンサルティング・設計・工事、防雷機器の提供までワンストップ・ソリューションで提供できる総合的な雷害対策サービスの提供を開始します。
2.雷保護診断システムの概要
 今回、開発した雷保護診断システムでは、診断対象とする建物の3Dモデル化を行い、旧JISまたは、新JISの各保護レベルに基づいた受雷部システムの保護領域を計算し、3次元的に表示し、建物の雷保護領域や非保護領域となる部分を容易に把握することが可能になります(表示イメージは図3のとおり)。
図3:雷保護診断システムによる診断結果例
3.総合的な雷害対策サービスの概要
(1) 外部雷保護診断サービス
雷保護診断システムにより、新JISに基づいた受雷部システムの保護領域を求め、建物に雷撃を受ける可能性がある非保護領域などを診断します。
(2) 雷害対策コンサルティング
全国のNTTビルでの雷害対策における豊富な実績をもとに、建物全体やシステム別の低コストで効果的な雷害対策の実現に向けて、外部雷保護システムだけでなく、内部雷保護システムを含めた調査・提案、さらに無停電電源装置(UPS)など通信・コンピュータシステムの高信頼化に向けたトータルな対策の提案を行います。
(3) 雷害対策工事
雷害対策の実施計画に基づき、各種雷害対策工事を一元的に実施します。
(4) その他のサービスメニュー
雷害対策は建物・設備はもとより、運用・管理面など総合的な整備がされてこそ、リスクの低減、信頼性の向上が実現します。雷害対策の効果を最大限に引き出すため、お客様のご要望に応じて、NTTファシリティーズによるトータルなファシリティリスクコンサルティング、対策工事後の設備の保守・監視サービスを提供します。
 
4.サービス開始日
6月15日(火)
 
5.無料コンサルティングの実施
先着10企業様に無料で雷害対策簡易コンサルティングを実施いたします。
注1: 無料の雷害対策簡易コンサルティングでは、雷害対策コンサルティングの実施内容の一部をお試し頂けます。
注2: 本コンサルティングとは異なりますので、具体的な対策内容をご提示できない場合がございます。
注3: お問い合わせ・ご依頼内容によってはお受けできない場合がございます。
 
6.用語説明
本文中*の説明
*1 駆動電圧
・LSIの動作電圧の事を言います。近年、処理能力の向上により多くの電力が必要となっています。低消費電力の観点から動作電圧の低下が図られています。
*2 雷サージ
・電気回路や電気系統に通常の電圧を超えて、瞬間的あるいは、断続的に発生す る電圧をサージと言い、雷に起因するサージを雷サージと言います。
*3 JIS(日本工業規格 Japanese Industrial Standards)
・新JIS(A4201:2003):建築物等の雷保護
・旧JIS(A4201:1992):建築物等の避雷設備(避雷針)
旧JIS規格は仕様規格であり、例えば受雷部システム(避雷針等)の保護角は一般の建築物では60度、危険物の貯蔵庫などでは45度と具体的に数値が決められており、その範囲内に含まれるものは保護されるという考え方で設計されてきました。
*4 保護レベル
・雷保護システムが雷の影響から被保護物を保護する確率を表します。
*5 保護領域
・受雷部システムにより被保護物が雷撃から保護される範囲
*6 回転球体法
・二つ以上の受雷部に同時に接するように又は一つ以上の受雷部と大地とに同時に接するように球体を回転させたときに、球体表面の包絡面から被保護物側を保護範囲とする方法を言います。
*7 外部雷保護システム
・雷を確実に捕捉し、雷電流を迅速かつ効果的に大地へ放流するためのシステムで、受雷部システム、引き下げ導線システムおよび接地システムで構成されます。
*8 内部雷保護システム
・外部雷保護システムに流れる雷電流で生じる過電圧に起因する、建物内の爆発や火災の発生、人間が感電する危険、電気システムや電子システムの破壊を防止するために、等電位ボンディングの設置や避雷器(SPD: Surge Protective Devices)の設置及び安全隔離距離の確保を実施することを言います。
 
7.各社概要
◆株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズについて
NTTファシリティーズは、100年に及ぶわが国の電気通信の歩みをサポートしてきました。NTTネットワークをささえるすべての建物、電源・空調システムなどの情報環境の企画・設計から施工、維持管理までを、一貫して手がけてきた実績から生まれた、「IT×エネルギー×建築」の融合技術で、最適なファシリティソリューションを提供し経営をサポートします。同社の詳しい情報はhttp://www.ntt-f.co.jpをご参照ください。
◆音羽電機工業株式会社について
音羽電機工業株式会社は、創業以来、雷対策一筋に取り組んできました。
雷被害から重要設備を保護するアレスタ(避雷器)の開発、製造、販売を手がけると共に、施設全体を保護する「雷保護システム」の設計から施工、メンテナンスに至るまで、雷対策ソリューションをトータルでご提供致します。同社の詳しい情報はhttp://www.otowadenki.co.jpをご参照下さい。
 
8.お客様からのご相談窓口
NTTファシリティーズ
 http://www.ntt-f.co.jp/form/index.html
 もしくはフリーダイアル(0120-72-73-74)
音羽電機工業
 http://www.otowadenki.co.jp/index.html
 e-mail:sales@otowadenki.co.jp
 フリーダイアル(0120-31-01-08)
【本件問い合わせ先】
(株)NTTファシリティーズ
総務人事部 広報室
TEL:03-5444-5112
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。
予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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