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1.背景とねらい |
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今まで導入されているBASは、通信方式等の違いから空調・電気・防災・防犯設備などの建築設備ごと、電話システムやLANなどの情報通信設備ごとに構築されており、システム間で連携が必要な場合は、信号変換装置を介して行う必要がありました。そのため、信号変換装置の費用がかかり、BAS全体の構築費用が高くなったり、信号変換装置が高価なため、システム連携そのものを断念せざるをえない場合がありました。
また、ビル内にあるBAS、業務用システム、通信用システムは、それぞれ個別に配線を敷設したり、システム毎に通信機器を収納する盤やラックを設け、ネットワークの管理もシステム毎に行われていたため、運営の効率、スペース、コスト等で問題がありました。
以上のような背景から、NTTファシリティーズでは、次世代のオープンなプロトコルIPv6等を用いて信号変換装置を極力無くし、各システムを光配線で統合したIPv6BASを開発しました。IPv6BASを導入することにより、光ネットワークの統合化を図り、コストの低減やスペースの削減を図ることができます。
なお、NTT東日本さいたま新都心ビルに納入したIPv6BASは、提供商品第1号機となり、11月22日(月)から運用を開始します。
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2.IPv6BASの概要 |
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IPv6BASは、BAS本来の建物設備(空調・電気・防災・防犯設備等)を統合監視・制御する機能を備えていることはもとより、業務用システムや通信用システムとの連動を図ることで、あらたな機能を提供します。例えば、会議室の予約スケジュールに合わせて自動的に照明や空調をON/OFFしたり、外出先から設備状況のデータを見たり、警報を受信したりといったことが可能となります。また、当社のFM(ファシリティマネージメント)*4業務における豊富な実績とノウハウをベースにしたFMアプリケーションやオーナー・テナント向けアプリケーションを備えており、ビル管理のためのシステムだけでなく経営を支援するための機能も兼ね備えています。
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3.IPv6BASのシステム構成 |
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システム構成は、ビルの幹線は光ファイバで構築し、通信の高速・広帯域化を図り,支線は光あるいはメタルケーブルで構築し,幹線と支線の接続は汎用のスイッチで行います。業務用LAN、IP電話、カメラ映像用LANなどは、幹線の各階スイッチにつなぐことで容易に構築でき,幹線機器やネットワークの管理を集約します。
IPv6や幹線光化、汎用スイッチなどで利用されている最先端通信技術を取込むことで、システムが陳腐化しにくく、時代の変化にフレキシブルに対応することが可能です。
■IPv6 BAS システム構成イメージ
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画像をクリックすると、拡大画像をご覧いただけます。 |
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4.IPv6BASの特徴 |
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(1) |
IPv6に対応 |
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次世代のオープンなプロトコルIPv6をいち早く採用したBASです。IPv6等のオープンなプロトコルに対応した装置であれば、メーカーが異なっていても接続可能です。
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(2) |
BAS、業務用システム、通信用システムを光ファイバに統合 |
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ビル内の様々な情報を光ファイバで統合伝送することによって,ユビキタスサービスの基盤を提供できます。今まで、個別であったシステムがより密接に結合し、新たなサービスを提供することが可能となります。
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(3) |
コスト低減とスペース削減 |
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光ファイバで統合伝送することにより、各システムの通信機器を集約できると共に管理の効率化が図れるのでコストが低減されます。通信機器の集約は、スペースの削減につながります。
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(4) |
各種アプリケーションの充実 |
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1. |
FM(ファシリティマネージメント)アプリケーション |
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IPv6BASに集まった各種データやメンテナンスデータは、FMを支援するシステムに展開され、光熱水費や設備保全費の低減に向けた各種分析や、設備点検や報告書作成の効率化を図ることができます。中長期計画立案や資産価値の評価を支援するアプリケーションにより、経営に貢献します。 |
2. |
ビルオーナー、テナント向けアプリケーション |
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ビルの光熱水量の推移や保守・修繕の履歴などの情報を、テナント単位で見ることができます。空調機の温度設定変更や機器の入り切りがWebブラウザを利用して、簡単にできます。 |
3. |
ビル設備遠隔監視サービス(オプション) |
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ビル内の情報(計測・警報・機器データ等)は、IPネットワークを経由して、弊社の遠隔監視センタに転送することができます。遠隔センタでは、24時間365日の警報監視はもとより、各機器のリモートメンテナンス、データの傾向分析、毎月のビル設備レポートの作成などを行います。このビル設備遠隔監視サービスを利用することで、場合によってはビルを無人化することも可能となります。 |
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5.販売目標 |
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平成17年度に20億円、平成19年度までに100億円の売り上げを目標とします。
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6.価格及び提供時期 |
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価 格 |
:個別見積り
※導入する建物規模や監視制御するポイント数等によって異なります。 |
提供開始 |
:11月16日(火) |
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7.今後の展開 |
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今後はビル内設備に限らず、様々な装置や端末がIP化されることが予想されますが、これらIP機器を随時IPv6BASに統合していきます。そして、IPv6BASの幹線ネットワークに接続するだけでIP機器相互間に新たな通信がなされ、利用者に様々なサービスが受けられるようシステムの拡張を図っていきます。と同時にサービスコンテンツの提供やユビキタス時代の快適な情報環境の提供を進め、さらなる事業規模の拡大を図ります。
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8.用語の説明 |
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*1 |
プロトコル |
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コンピュータとコンピュータが、ネットワークを介して通信する時に、あらかじめ決められてある約束事。 |
*2 |
IPv6(Internet Protocol version
6) |
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インターネットの基盤となる通信プロトコル。今まで使われていたIPv4を改良した次世代インターネットプロトコル。管理できるアドレス空間の増加、セキュリティ機能の追加などが盛り込まれている。 |
*3 |
ビルディングオートメーションシステム(BAS:Building
Automation System) |
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建物設備(空調・電気・防災・防犯設備等)を統合監管理し、快適な環境づくりと建物施設運営の効率化・ランニングコストの低減を図るシステム。 |
*4 |
FM(ファシリティマネージメント) |
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企業、団体等が組織活動のために施設及び環境を総合的に企画、管理、活用する
経営活動。(日本ファシリティマネジメント推進協会:FMガイドブック参照) |
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【本件に関する報道機関からのお問合せ】 |
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NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp |
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【一般のお客様からのお問い合わせ】 |
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コンタクトセンタ
TEL:0120-72-73-74 午前9時~午後5時まで(土・日・祝日はのぞきます) |
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