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用語説明
【低外気温時の高効率制御】
 高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)は、圧縮機の許容圧力比を低くすることで外気温度が低い中間期・冬期に凝縮圧力を低く運転し、高い運転効率を実現します。このことをp-h線図で示すと図1のようになります。一般の電算機用空調機は、外気温度が低い冬期でも夏期と同程度の凝縮圧力で運転しているので運転効率は向上しません。一方、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)は、外気温度が低いときに低圧縮比運転することで、圧縮機動力を少なくし冷房能力を大きくすることができ、運転効率が向上します。これにより、図2に示すように、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)の運転効率は低外気温度の領域で高くなっています。高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、この制御を実現するために、圧縮機や膨張弁を専用設計しています。

図1 p-h線図
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(a)一般電算機用空調機 (b)高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)

図2 外気温度と空調機の運転効率の関係
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【高顕熱運転設計】
 IT装置を収容する機械室は顕熱負荷となる装置の発熱量が多く、湿度の増加による潜熱負荷はほとんど発生しません。したがって、空調機は除湿しにくい高顕熱で運転するのが、無駄な加湿/除湿を行わず、省エネルギーとなります。高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)の顕熱比は標準条件で0.99と、高顕熱設計としています。
【多点温度制御】
 情報通信装置の入れ替わりが頻繁に行われるiDCでは、室内の温度分布も常に変化することが予測されます。電算機室用空調機は、情報通信装置の設置状態に関わらず、高温部位が生じないように、かつ不必要な冷却を抑制することでの省エネルギーも考慮した制御が必要です。
 高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、この課題を解決するために、「多点温度計測による空調機の能力制御」機能を搭載しています(図3)。
 これにより、より的確な冷却と省エネルギーを両立させた空調システムを構築することが可能となります。

図3 多点温度制御の構成イメージ
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【冷凍サイクルの予測制御】
STEP1: 数十秒後のサイクル圧力を予測し、高圧異常となる前に圧縮機周波数を低減します。(予測制御+垂下制御)
STEP2: 予測に基づく垂下制御が間に合わないと判断した場合は、圧縮機を一旦停止し、再起動します。(自動リトライ制御)
【空調システム導入に伴う環境負荷低減】
高効率な運転を実施することにより、消費電力を低減します。これは、電力発電に伴う地球温暖化ガスであるCO2やその他の大気汚染物質の排出量削減に間接的に貢献します。
冷凍サイクルを構成する冷媒にオゾン層を破壊しないHFC冷媒を用いています。
【新冷媒の採用】
パッケージ型空調機では冷媒の圧縮、凝縮、膨張、蒸発というサイクルで冷凍サイクルが組まれており、このサイクルを効率良く実現する冷媒が必要となります。高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、HFC(ハイドロフルオロカーボン:塩素を含まないため、オゾン層を破壊しない)冷媒であるR410Aを採用しています。
【機器信頼性の向上】
保守しやすい(保全性に優れた)空調システムを提供することで、故障を未然に防ぐのも今回開発した空調機の特徴の一つです。
また、従来は軽微な故障でも空調機を止める必要がありましたが、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では自己診断機能により、運転を継続できると判断した場合は空調機を止めないように制御することで、空調の信頼性を向上させています。
【ドレン回避制御】
 一般的に空調機は、室内空気を冷却する過程で湿気を凝縮させ、その凝縮水(ドレン)を屋外に排出します。本ユニットは、このドレンそのものの発生を抑制するとともに、万が一ドレン水が規定以上発生した場合にはユニットの運転を停止させる制御を採用しております。
【顕熱比】
 IT装置からの発熱や照明器具、太陽からの日射などは、室内温度を上昇させます。このような熱を顕熱と呼びます。一方、水が液体から蒸発して水蒸気に変化するときは、熱は必要ですが温度計は変化しません。このような熱を潜熱と呼びます。顕熱を顕熱と潜熱との合計(全熱と呼びます)で割った値を顕熱比と呼びます。
 IT装置の発熱は100%顕熱ですから、顕熱を処理する割合が大きい空調機(高顕熱型と呼びます)が有利となります。汎用空調機(店舗用エアコン)の顕熱比は0.7程度であり、IT装置を冷却する場合、無駄なエネルギーを使ってしまいます。
【フロリナートTM
 3M社が開発した、粘性が低く、無色透明で、熱的化学的に非常に安定した完全フッ素化液体で、冷媒などとして使用されています。なお、「フロリナートTM」は3M社の商標です。

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