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2001年
2000年
1999年
1998年~
平成18年10月2日
株式会社 NTTファシリティーズ
山梨県北杜市
大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究の委託先に決定
~大規模太陽光発電の普及・コスト低減の実現に向けて~
株式会社 NTTファシリティーズ(代表取締役社長:森 勇)、山梨県北杜市(市長:白倉 政司)の2者は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)
*1
の委託研究事業、「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」
*2
の委託先として決定しました。
本実証研究は、「人と自然が躍動する環境創造都市」を目指す北杜市に大規模太陽光発電システムを設置し、発電電力を電力会社の系統側へ安定的に供給する実証研究を行うものであり、研究終了後は本システムを用いて発電事業を行なうことを予定しています。
1.背景と狙い
太陽光発電等の新エネルギーは、地球温暖化対策および京都議定書発効によるCO2 削減に資する重要なエネルギーとして位置づけられており、太陽光発電については、2002年3月に決定された地球温暖化対策推進大綱において、2010年度の導入目標が482万kWと設定されています。
日本における太陽光発電設備の累積導入量は1,132MW(2004年末現在、JPEA 太陽光発電協会)であり、世界最大の導入量を誇っています。
しかしながらこれまでの太陽光発電設備導入量の94.6%(2004年度、日本電機工業会)は住宅用として設置された3~5kWほどの小規模な発電であり、上記導入目標量を達成するためには大規模な太陽光発電システムの導入が必要です。
太陽光発電には出力の不安定性
*3
等の課題で、大規模太陽光発電システムが系統へ大量に連系されることによって系統側に悪影響を及ぼすことが懸念されており、太陽光発電設備の大量導入には対策が必要です。
北杜市における実証研究では、国内外複数の太陽電池を用いて大規模太陽光発電システムを構築し、運用評価を行うとともに、系統安定化制御が可能な大型太陽光パワーコンディショナー
*4
を開発、将来の大規模太陽光発電技術の普及・コスト低減に寄与する技術開発、ならびに実証研究を実施することでエネルギー自給率の向上や地球温暖化の防止が狙いです。
2.大規模太陽光発電システムの概要
実証研究場所は山梨県北杜市長坂町夏秋地区及び塚川地区に位置しており、中央自動車道に隣接し、八ヶ岳、南アルプス連峰に囲まれた日照量日本一を誇る「太陽の杜」として、本実証研究に最適な場所です。
北杜市におけるシステムは、従来の結晶系モジュール
*5
に加え、化合物半導体太陽電池や集光型システム等、国内外の先進的な太陽光モジュールを総計約2MW(メガワット)の規模で構築し、モジュールの総合評価並びに実証研究を行なうとともに、電力系統の品質に悪影響を及ぼさずに供給できる大容量パワーコンディショナーを開発します。
設置イメージ:東京ドーム2個の敷地に太陽光パネルを設置
北杜市「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」
設置イメージ構想
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。
本実証研究で得られた研究データから、大規模太陽光発電システムのコスト低減へとつなげ、同システムの導入促進、そして地球温暖化をもたらすCO2削減に寄与することを目指します。
この度同じく採択となった北海道電力株式会社様(実証場所:稚内市)と連携をとり、本実証研究を共同して行います。
研究開発期間は、平成18年度から平成22年度までの5年間の予定です。
3.実証研究後の展開
実証研究終了後は太陽光発電システムの継続運用、電力会社への売電を行います。また『太陽と人が出会う場所』をコンセプトに、大規模太陽光発電所を環境観光、環境教育の拠点として、レクレーションパーク、エコエネルギーパーク化することも検討しています。
4. NTTファシリティーズと北杜市の概要
(1)
NTTファシリティーズ
NTTファシリティーズは、100年に及ぶわが国の電気通信の歩みをサポートしてきました。
NTTネットワークを支える全ての建物、電源、空調システム等、情報環境の企画・設計から施工、維持管理までを一貫して手がけてきた実績から生まれた、「IT×エネルギー×建築」の融合技術で、最適なファシリティソリューションを提供し、経営をサポートします。
太陽光発電事業について、メガソーラー事業をはじめとする数多くの事業に関わっています。
詳しい情報は
http://www.ntt-f.co.jp/
をご覧ください。
(2)
北杜市
北杜市は「人と自然が躍動する環境創造都市」を目指し、新エネルギーや再生可能エネルギーの導入を促進しています。
「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」は、北杜市の「日照時間日本一」「内陸性気候で少ない降雨量」「冷涼な夏」といった自然特性を最大限に活用できる事業です。大規模太陽光発電システムなどの構築により、豊かな自然の中にあるエネルギーの活用を目指しています。
詳しい情報は
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/
をご覧ください。
再委託予定先
◇
国立大学法人 東京農工大学
http://www.tuat.ac.jp/
◇
国立大学法人 東京工業大学
http://www.titech.ac.jp/home-j.html
◇
独立行政法人 産業技術総合研究所
http://www.aist.go.jp/
◇
株式会社 日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
◇
日本電信電話株式会社 環境エネルギー研究所
http://kankyo.lelab.ecl.ntt.co.jp/
【NTTファシリティーズ 代表取締役社長 森 勇 より】
本事業は我社の重要施策の一つとして位置づけられており、今日まで培ってきたメガソーラーをはじめとする太陽光発電システム技術と建築技術を融合し、今後の大規模太陽光システムのビジネスモデルとなるように積極的に進めてまいります。
また、北杜市とは共同研究者として連携を密に進めるとともに、提供されているすばらしい実証研究サイトを活用し、世界へアピールできる先進的実証研究を行っていく所存です。
【北杜市長 白倉 政司 より】
大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究に対し、全国の多数の自治体から提案がされた中で、北杜市とNTTファシリティーズの共同提案が採択されたことは、この上ない喜びであり、ご支援をいただいた関係者に深く感謝申し上げます。
今回の採択は「日照時間日本一」、「冷涼な夏」といった恵まれた自然条件と、研究施設が中央自動車道に隣接し、広くアピールできる立地条件を備えていることなどが高く評価されたものと受け止めております。
この実証研究は、将来の大規模太陽光発電技術の普及・コスト低減に寄与する技術開発を目指すものですが、同時に北杜市の名を国内外へアピールできるものでもあり、市の活性化やイメージアップに大きな役割を果たしてくれることを期待しております。
今後は、NEDO及びNTTファシリティーズとの協議を重ねる中で、事業実施に向け、地元対応及び研究用地の調査測量などを早急に進めて参りたいと考えております。
用語説明
*1
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)
「NEDO」とは、New Energy and Industrial Technology Development Organization(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の略。日本の産業技術とエネルギー・環境技術の研究開発とその普及を推進する中核的実施機関。
http://www.nedo.go.jp/
*2
大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究
公募情報
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/180418_1/180418_1.html
採択情報
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/180919_2/180919_2.html
系統連系とは、電力会社の配電設備(発電から配電までの一連の設備を電力系統という)へ太陽光発電等の発電設備を電気的に接続すること。
*3
出力の不安定性
太陽光発電は天候に左右されるため、発電量を一定とすることが難しく、系統に流す際の外乱要因になり、これが現在まで太陽光発電システム導入の懸念材料であった。
*4
パワーコンディショナー
太陽光モジュールで発電した電気は直流であり、この発電した電気を電力系統へ流す際、系統と同じ交流に変換するための装置。
*5
モジュール
太陽電池セル(太陽電池の基本単位)を必要枚数まとめ、樹脂や強化ガラス、金属枠に納めた一単位。
【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
◆
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。
予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。