2010年5月24日
新たな人工気候室を利用したGreen ICTの取り組みについて
~データセンターを中心とした空調ソリューションの更なる拡充に向けた新たな研究施設の構築~
株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長:沖田章喜)は、空調ソリューションの研究施設として、冷帯から熱帯までの温湿度環境を再現可能な屋外環境試験室と、データセンターにおける高発熱密度サーバルームを中心とする屋内環境試験室を同時に併せ持つ実証施設として、新たな人工気候室をNTT武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市緑町)内に構築し、6月より運用開始いたします。
1.新たな人工気候室の位置づけについて
- (1)背景
- 社会基盤として重要な役割を担うデータセンターの信頼性確保および省電力化施策として、可用性が高く、かつ効率的な環境制御技術(空調技術)の開発と普及が大きな課題となっています。
空調技術は、言い換えれば地球環境(建物周辺大気)への熱輸送技術であり、この外的環境の特性(温度、湿度)によりその性能は大きく左右されるため、技術評価にはこれら外的環境を踏まえた分析が必須となります。
これまでNTT情報流通基盤総合研究所が所有し、NTTファシリティーズが運用してきた人工気候室は、昭和50年の竣工以来、様々な空調機等の開発に貢献して参りましたが、経年による劣化とともに、空調機処理能力の限界や開発の多様性等により陳腐化してきたため、昨年度より計画的に更改を進めてきました。 - (2)構成
- 本施設は、屋外の環境を再現する「屋外環境試験室」と、データセンターにおけるサーバルームを再現する「屋内環境試験室」の2室により構成されます。
このような組合せの試験環境は世界でも稀であり、これからのICT社会の高度化に対して、ICT装置設置環境の評価および検証、冷却インフラとしての空調機の環境影響評価を同時に実現できる施設として、地球環境に関わる先端技術を支えていきます。
- (3)特徴
- a.屋外環境試験室の性能について
- NTTファシリティーズでは、これまで、通信機械室用あるいはIT装置冷却用空調機として、FMACS(現在は第5世代)の開発を進めてきました。今回の人工気候室においては、昨今、Green ICTで注目されている外気冷房や、フリークーリング等に対応した試験室としての役割を期待しています。
屋外環境試験室は、冷帯~熱帯地域の温湿度環境を実現することが可能で、温度については-10℃から50℃まで、相対湿度については5%から95%までの制御範囲を有しています。
温湿度の制御精度は、負荷変動に対する追従性能を有しており、温度安定性も高いため、さまざまな試験環境を提供することができます。
2.今後の予定
新しい人工気候室は、6月に運用開始する予定です。
この人工気候室を利用して、今後の高度なICT社会への発展に寄与し、且つ地球温暖化対策に配慮したGreen ICTの実現に向けた研究開発活動を展開していきます。
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- NTTグループのコラボレーション研究施設としてGreen ICTの実現に向けた研究開発
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- クラウドコンピューティングの拡大に伴い、データセンター関連企業に広く貢献すべく、空調総合ソリューション(ACORDIS)の更なる開発
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- ICTベンダー等との協業を視野に入れた、ICT装置冷却手法の開発
- 【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
- NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
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