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2011年5月10日

セルモジュール型データセンターの提供開始について

株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長:沖田 章喜、以下、NTTファシリティーズ)は、クラウド時代のデータセンターとして、ビジネスの成長に合わせて短期間で柔軟に構築・拡張可能な「セルモジュール型データセンター」をラインナップし、提供を開始します。

1.背景

近年、クラウドコンピューティングの進展に伴い、データセンターをユーザの要望に対応して柔軟に、かつ短期間、スモールスタートで構築したいというニーズが高まっています。このような中、データセンターファシリティをモジュール化することにより、モジュール単位での拡張が可能で、初期投資を抑えたデータセンター構築を可能とする手法として、モジュール型データセンターに注目が集まっています。また、モジュール型データセンターの一種であるコンテナ型データセンターについては、国土交通省が稼働時は無人となるコンテナ型データセンターが建築基準法上の建築物に該当しない旨の方針を示すなど、規制緩和の動きが活発化しています。

2.コンテナ型データセンターの導入

NTTファシリティーズは、大規模なデータセンターから小規模なものに至るまで、企画・設計・構築・運用管理をワンストップで提供するとともに、NTTグループにおけるボックス型の小型局舎(RT-BOX*1 など)の構築も手がけてきました。

NTTファシリティーズは、これらの経験を通じて培った技術やノウハウをもとに、コンテナ型データセンターを開発し、日本電信電話株式会社(代表取締役社長:三浦 惺、以下、NTT)の環境エネルギー研究所が、2011年3月に厚木研究開発センタに導入しました。このコンテナ型データセンターは、ラック型空調機「FTASCL」と外気冷却により、高いエネルギー効率(PUE*2 1.2)を実現可能としています。

NTT厚木研究開発センタに導入したコンテナ型データセンター
■NTT厚木研究開発センタに導入したコンテナ型データセンター

3.セルモジュール型データセンターの提供開始

この度、モジュール型データセンターのラインナップとして、上記のコンテナ型データセンター(『コンテナタイプ(S) 』)に、大型の『コンテナタイプ(L)』と屋内設置タイプの『フロアタイプ』を加え、「セルモジュール型データセンター」として提供を開始しました。

コンテナタイプ(S)

コンテナタイプ(S)

トレーラー等での搬送が可能な小規模のデータセンターで、最も短工期での構築が可能です。スケーラビリティ重視のパブリッククラウドやサーバルームに適しています。データセンター更改時の仮設用にもご利用可能です。

コンテナタイプ(L)

コンテナタイプ(L)

大型のボックス等による中規模のデータセンターで、コストを重視しつつ、お客様の要望にあったキャパシティやラック数を提供します。コスト重視のプライベート/パブリッククラウドやサーバルームに適しています。

フロアタイプ

フロアタイプ

屋内フロア設置の小規模のデータセンターで、既設ビルの屋内遊休スペース利用にも有効です。アイルキャッピングやラック型空調機「FTASCL」により適切な温度環境を実現します。既設ビルを利用したパブリッククラウドやサーバルームに適しています。

これらの「セルモジュール型データセンター」は、空調設備・電源設備等を最適にパッケージ化したモジュール設計により、工期短縮、初期投資の最小化と、高いエネルギー効率を実現しております。また、ビジネスの拡大に伴うICT機器増設に合わせた柔軟な拡張を可能とするスケーラビリティを追求しております。

セルモジュール型データセンター 諸元表
タイプ コンテナタイプ(S) コンテナタイプ(L) フロアタイプ
設置場所 屋外 屋外 屋内
規模※1 小規模(~10ラック/モジュール) 中規模(~75ラック/モジュール) 小規模(~10ラック/モジュール)
容量※1 小容量(~135kW/モジュール) 中容量(~540kW/モジュール) 小容量(~135kW/モジュール)
標準工期※1 3ヶ月/モジュール 6ヶ月/モジュール 3ヶ月/モジュール
空調 標準 空冷 空冷 空冷
オプション 外気冷却等 外気冷却/水冷等 (建物条件による)
電源 標準 UPS UPS UPS
オプション※2 非常用発電機、HVDC等 非常用発電機、HVDC等 非常用発電機、HVDC等
その他 オプション 冗長構成(空調・電源等) 冗長構成(空調・電源等) 冗長構成(空調・電源等)

※1 数値は標準的な値であり、条件により異なります。※2 HVDCは高電圧直流給電システムの略称です。


NTTファシリティーズでは、「セルモジュール型データセンター」の提供により、クラウドコンピューティングに対応した次世代データセンターの構築を行ってまいります。

用語説明

*1 RT-BOX(Remote Terminal-BOX;遠隔多重伝送装置)
加入者を自動交換機設置局へ遠隔収容する光加入者線多重伝送装置を屋外設置するボックスです。遠隔地の加入者を効率よく収容するため、交換機から加入者回線収容位置を遠隔に張り出した可搬形のものを言います。
*2 PUE(Power Usage Effectiveness)
グリーン・グリッド(The Green Grid)が提唱するデータセンターのエネルギー効率を表す指標。データセンター全体の消費電力を、サーバなどのICT機器の消費電力で割った値です。前者は、サーバやストレージ、ルータ等のICT機器の消費電力に加え、空調装置、電力設備、照明装置、監視装置などが消費する電力を含みます。PUE値が小さいほど(1に近いほど)高効率なデータセンターであると言えます。
PUE = (データセンター全体の消費電力) / (ICT機器の消費電力)
本件に関するお問い合わせ先
報道機関からのお問い合わせ
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
一般のお客様からのお問い合わせ
コンタクトセンタ 0120-72-73-74
午前9時~午後5時まで(土・日・祝日はのぞきます)

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