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2011年12月21日

外気冷熱を活用して省エネルギーを追求するデータセンター用空調機の販売開始
~ 一般電算室用空調機比54%の省エネルギーを実現 ~

 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 沖田章喜、以下、NTTファシリティーズ)は、データセンター向け空調ソリューション「ACORDIS(アコーディス)」*1のフラッグシップソリューションであるIT装置用床置型空調機「FMACS(エフマックス)」*2のラインナップを追加し、外気冷熱を有効に活用し、省エネルギー性を追求した「FMACS-V hybrid(エフマックス・ファイブ・ハイブリッド)」を2011年12月26日より販売致します。

FMACS-V hybridの外観写真

FMACS-V hybridの外観写真

背景

 一般的に低温外気を利用した直接外気冷房方式(エアサイドエコノマイザ、図1)は外気の塵埃や海塩粒子といった不純物による電気基板の腐食の恐れや外気導入量に応じて湿度調整が必要となる場合があります。これらの課題をクリアしつつ、高い省エネルギー性が要求されるデータセンターに適した間接外気冷房型空調機(図2)として、FMACS-V hybrid(冷房能力45kW、以下、本空調機)を日立アプライアンス株式会社(取締役社長 山本晴樹)と共同で開発しました。

 本空調機は、圧縮機と冷媒ポンプを備え、外気の空気質の影響を受けにくい間接外気冷房を、FMACS-Vの高信頼性・可用性を確保しながら高効率で実現します。外気温度が低い冬期から中間期に圧縮機を停止させ、冷媒ポンプにて冷媒を循環させる外気冷房運転を行うことで、冷媒ポンプの消費電力は、通常の空調機で使用される圧縮機より極めて小さいため、運転効率が大幅に向上します。本空調機により、データセンター空調に関わる年間消費電力量および年間CO2発生量を、一般の電算室用空調機と比較して、最大54%削減*3することができます。

■図1 直接外気冷房方式

図1直接外気冷房方式

  • 運転効率 :建物形状・気象条件によっては省電力となる
  • 初期投資 :バックアップ熱源が不要であれば安価
  • 室内空気質:外気由来の腐食性物質等への対策が必要
  • 設計自由度:大風量に対応する外壁給気口、風路確保のため、平面・立面計画に制約が大きい

■図2 間接外気冷房方式

図2間接外気冷房方式

  • 運転効率 :安定した効率運用を実現
  • 初期投資 :ICT装置の導入に合わせた最適投資が可能
  • 室内空気質:外気量が少ないので空気質のコントロールが容易
  • 設計自由度:建物計画の自由度は高い

FMACS-V hybridの特長

(1) 高い省エネルギー性

 本製品は、外気温度が低い冬期から中間期は冷媒ポンプを使用するポンプサイクル(図3)、外気温度が高い夏期から中間期は圧縮機を使用する圧縮サイクル(図4)と、サイクルを切り替える機構を備えた世界初となるデータセンター用空調機です。圧縮機に比べ1/10 程度の低い消費電力で冷媒ポンプは駆動し、同程度の冷房能力を発揮します。

 外気温度が約10℃より高いときは圧縮サイクル、約-5℃より低いときはポンプサイクル、その間は負荷状況に応じてどちらかのサイクルを選択して運転します。ポンプサイクル時は総合COP*4が非常に高くなります。一般電算機用空調機に対する本空調機の年間消費電力量の削減率は、例えば、札幌では54%削減、東京では42%削減となります。

図3冬期~中間期の状態

■図3 冬期~中間期の状態
(ポンプサイクル)

図4夏期~中間期の状態

■図4 夏期~中間期の状態
(圧縮サイクル)

(2) 高信頼性・可用性

 データセンターのICT装置を冷却する空調システムには高い信頼性、可用性が求められます。本空調機は、これまでNTTファシリティーズが培ってきたFMACS-Vの信頼性技術を引き継ぎ、さらにポンプサイクル時における冷房能力不足時やポンプ故障時の圧縮サイクルへの自動切替機能を有し、空調機の信頼性を高めています。

■表1:FMACS-V hybrid(L)の信頼性技術
耐震性能 震度6強の地震でも運転継続
EMC性能 ノイズエミッション(VCCI クラスA相当)・イミュニティ(CISPR 24 相当)
学習機能付き垂下制御 高外気温度時の故障停止を回避
高速自動復電機能 停電から復電後約1分で90%の能力復帰
ダイレクトドライブ機構 室内ファンのVベルトを廃止、保守軽減
室内ユニットの前面扉構造 保守の作業性・安全性を向上
高機能操作パネル 各種履歴データと故障診断で保全支援

(3) 仕様

本空調機の仕様を表2 に示します。

■表2:FMACS-V hybrid(L)の仕様表
冷房能力(顕熱能力) [kW] 45.0
消費電力(圧縮/ポンプサイクル) [kW]*5 16.2/5.0
室内
ユニット
吹き出し方式 下吹き
寸法(W×D×H)[mm] 1295×900×1950
送風量 [m3/min] 240
運転音 [dB(A)] 60
質量 [kg] 655
室外
ユニット
寸法(W×D×H)[mm] 1350×900×1980
運転音 [dB(A)] 56(低騒音運転制御時51もしくは48を選択可能)
質量 [kg] 340
ポンプ
ユニット
寸法(W×D×H) [mm] 1100×580×550
質量 [kg] 105
冷媒 R410A
電源 AC 3相 200V 50/60Hz

【本製品と総合ソリューションの提供】

 NTTファシリティーズは本製品を従来からあるFMACS-Vシリーズのラインナップを追加して、データセンター事業者に対して販売を強化します。外気温度が低い北海道・東北地方を中心に全国で販売を予定します。

 また、FMACS-Vシリーズの他、局所空調用のラック型空調機FTASCL-RS/C*6、天吊型空調機FTASCL-CM/C、気流制御技術製品のアイルキャッピング*7を提供しています。NTTファシリティーズは、これらの空調総合ソリューションによりお客様のデータセンターやサーバルームに最適な空調システムを提供し、事業課題、環境目標をお持ちの全てのお客様の事業と環境経営に貢献いたします。

用語説明

*1 ACORDIS
「ACORDIS(アコーディス)」はNTTファシリティーズの登録商標です。
*2 FMACS
「FMACS(エフマックス)」はNTTファシリティーズの登録商標です。
*3 最大54%削減
札幌の標準気象データによる試算結果を示します。
*4 総合COP
成績係数(Coefficient Of Performance):冷房などのエネルギー効率の目安として使われるパフォーマンス係数と呼ばれる数値です。
*5 消費電力の算出条件
室内吸込空気温度 27℃DB/19℃WB 室外吸込空気温度 各地域の標準気象データ 冷媒配管長 5m 冷房能力100%を想定 (※ポンプサイクル運転範囲では、最大冷房能力)
*6 FTASCL
「FTASCL(エフタスクル)」はNTTファシリティーズの登録商標です。
*7 アイルキャッピング
「AISLE CAPPING(アイルキャッピング)」はNTTファシリティーズの登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道機関からのお問い合わせ
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
一般のお客様からのお問い合わせ
コンタクトセンタ 0120-72-73-74
午前9時~午後5時まで(土・日・祝日はのぞきます)

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