2013年7月1日
ビル入居者の快適性を保てる範囲における最大ネガワット量を予測する新機能をFITBEMS®に実装
~ 自動負荷制御型デマンドレスポンスの支援サービスをエネットと連携してトライアル開始 ~
株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 筒井 清志、東京都港区、以下NTTファシリティーズ)は、ビル設備を自動制御し節電を行う際に、入居者の快適性を保てる範囲における最大ネガワット量を事前予測する新機能を、当社製ビルエネルギー管理システムであるFITBEMS®*1に実装しました。本実装により、デマンドレスポンス*2発動時、需要家には「入居者の快適性を保ちつつ最大限の節電」を、電力会社には「創出されるネガワット量の事前情報」を提供可能となります。
NTTファシリティーズは、8月から株式会社エネット(代表取締役社長 池辺 裕昭、東京都港区芝公園、以下エネット)と連携して実施する自動負荷制御型デマンドレスポンス*3の支援サービスをトライアル開始します。
1.背景と概要
NTTファシリティーズは昨年よりBEMSアグリゲータ*4として、FITBEMS®を用いてお客様のデマンドレスポンスを支援しています。これまでは、節電要請を受けたお客様自身が空調や照明等の電源を切るなどしてネガワットを創出していました。そのため、過度な節電によってお客様施設の快適性が損なわれる場合や、獲得できるネガワット量の想定が困難なために電力会社が需給計画に組み込めないなどの課題がありました。
NTTファシリティーズは、このような背景から、需要家と電力会社に新たな価値を提供できる本機能をFITBEMS®に実装しました。
2.需要家のメリット
空調機の停止または設定温度変更による節電は、室内の快適性を損なう場合があります。新機能を搭載したFITBEMS®は、室内環境への影響を最小にしながら最大限の節電が可能となる空調制御パターンを予め算出し、当日節電要望のあった時間帯に自動制御を行います。これにより、一定の快適性を保ちつつ最大限の節電量の確保が可能となります。
3.電力会社のメリット
デマンドレスポンスを発動する電力会社は、前日の時点で翌日のネガワット量をより確実に把握することが可能となります。また、当社を介して需要家にデマンドレスポンスを要請するプロセスがシステム化されており、需要予測の実態に即した細やかな節電要請と応答を行うことが可能となります。
5.今後の展開
本トライアルの結果を踏まえ、新機能を標準搭載したFITBEMS®によるデマンドレスポンス支援サービスを、平成26年度を目処に本格展開します。需要家と電力会社が一体となって、限られたエネルギーで快適な社会を実現するために、NTTファシリティーズは今後もネガワットアグリゲーション*5のサービスを進化させていきます。
用語説明
- *1 FITBEMS®
- ビル内の機器や電力使用を統合的に監視・制御する当社製のBEMS (Building and Energy Management System)。従来のビル単体のエネルギー管理を目的としたBEMS機能(エネルギー管理・データ分析等)に加え、ビル群の制御支援や外部との連携機能を具備し、さらに季節や時間帯、オフィスの利用状況に応じたフレキシブルな制御により最適な室内環境と省エネの自動化を実現します。詳細は、下記商品・サービスページをご参照ください。
http://www.ntt-f.co.jp/smartbuilding/contents04.html - *2 デマンドレスポンス
- 電力会社の供給力逼迫時に、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させることです。ここでは狭義に、電力会社の要請により、需要家が電力の使用を抑制することを指します。
- *3 自動負荷制御型デマンドレスポンス
- 需要家自身が設備制御を行う従来のデマンドレスポンスとは異なり、アグリゲータが需要家設備をBEMSなどで自動制御することによってネガワットを創出するデマンドレスポンスを指します。
- *4 BEMSアグリゲータ
- 中小ビル等にBEMSを導入するとともに、クラウド等によって自ら集中管理システムを設置し、中小ビル等のデマンドレスポンスを管理・支援する事業者であり、予め一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録された者を指します。詳細は、下記SIIホームページをご参照ください。
http://sii.or.jp/bems/first.html#section09 - *5 ネガワットアグリゲーション
- 複数の需要家に対してデマンドレスポンスの支援を行い、創出されたネガワットを集め電力会社に提供するサービスを指します。
※本文に記載されている会社名、商品名は一般に各社の商標または登録商標です。
- 本件に関するお問い合わせ先
-
- 報道機関からのお問い合わせ
- NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
- 一般のお客様からのお問い合わせ
- コンタクトセンタ 0120-72-73-74
午前9時~午後5時(土・日・祝日はのぞきます)
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。