株式会社NTTファシリティーズ(本社：東京都港区、社長：筒井清志)と、富士通コンポーネント株式会社 (本社：東京都品川区、社長：石坂宏一) は、高電圧直流（以下、HVDC）給電システムに適用可能な400V級直流給電コンセントのUL^*1認証を世界で初めて取得しました。

　HVDC給電システムは、直流‐交流変換で生じるエネルギーの変換ロスをなくし、高い給電効率を実現する省エネルギーシステムで、NTTグループが連携し、世界に先駆けいち早く研究開発に着手してきました。特に今後も拡大していく通信施設やデータセンターなどのICT分野において、省電力化と環境負荷低減に貢献するものと世界中で期待されています。一方で、HVDC給電システムには課題もあり、電流遮断時のアーク放電防止や、感電防止などの安全性への配慮が必須となっています。このような課題を解決するため、NTTファシリティーズと富士通コンポーネントは共同でHVDC給電システムに適用できるコンセント（ソケットとプラグ）を開発し、2010年11月よりNTTファシリティーズが販売開始し日本国内のデータセンターを中心に導入されてきました。

　この度、このコンセントの安全性の高さが認められ、米国で最も知名度の高い国際的な第三者試験・認証機関であるULから、直流給電用ソケットおよびプラグの安全規格「UL　2695^*2」の認証を、世界で初めて取得しました。

　共同開発したコンセントの定格電流は10Aであり、 400V級直流給電システム用ソケットおよびプラグは、次のような多重安全機構を採用しております。

• アーク消弧モジュールによりアーク放電を遮断（ソケット側に内蔵）
• ソケット側に内蔵された開閉スイッチと連動した機械的スイッチ動作による通電/遮断制御とプラグの抜け防止
• 難燃性素材使用　など

　今回の認証取得により、北米市場を始めとした世界各国でHVDC給電システムの導入拡大が期待されます。日本においても、400V級直流給電用コンセントが第59回澁澤賞を受賞（2014年11月27日）するなど、HVDC給電システムの安全性向上とその導入実績が認められています。省電力化や環境負荷低減に貢献するHVDC給電システムの普及促進のため、今後、現在ドラフト審議中の400V級直流給電用コンセントのIEC国際規格化についても積極的な活動を継続するとともに、今後は欧州安全規格の取得を予定しており、安心してお使いいただけるHVDC給電システム用製品の開発・供給を進めてまいります。

■株式会社NTTファシリティーズ
ICT・エネルギー・建築の融合技術の開発や活用により、ビルや電力設備の「企画・設計・施工」から「保守・運用・維持管理」までワンストップで対応するソリューションやサービスを提供しています。
http://www.ntt-f.co.jp/

■富士通コンポーネント株式会社
リレー、コネクタなどの接続部品、タッチパネル、キーボード、サーマルプリンタ等の入出力部品並びにサーバコンソールスイッチやIP電源コントローラーなどのネットワーク機器、無線モジュールなどの各種電子部品、電気応用機器等の製造販売を行っています。
http://www.fcl.fujitsu.com/

■澁澤賞について
澁澤賞は、故澁澤元治博士が昭和30年に文化功労者として表彰を受けられた栄誉を記念するため、昭和31年に設けられたものです。本賞は、広く電気保安に優れた業績を上げた個人、グループに贈られる、民間で唯一の電気保安関係の表彰です。
一般社団法人電気保安協会　澁澤賞HP：http://www.denki.or.jp/award

■販売価格
オープン価格

■概略仕様

（左：ソケット、右：プラグ*）
*写真のプラグはNTTファシリティーズの製品です。