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NTTファシリティーズでは、この振動試験システムを利用して、NTTグループの情報通信施設の大規模地震に対する安全・信頼性の確保を目的とした研究開発を強力に推進していくとともに、マルチメディア時代における各種設備・施設の地震防災技術の発展のために広く社会に貢献していきたいと考えています。
NTTファシリティーズは、平成4年12月にNTTの建築・電力・ビル管理部門が分社して設立された会社であり、NTTグループの情報通信設備から、これらを収容するインテリジェントビルに至るまで、情報通信施設全般の地震防災について総合的に取り組んでいます。
振動試験は、各種設備の実物や建物・鉄塔等の模型を振動台上にセットし、人工的に地震を発生させて、試験体の耐震強度や機能障害を検討するもので、耐震性能の検討を行う上で極めて有効な手段です。NTTファシリティーズでは、電電公社時代の1971年に世の中に先がけて初代の振動台を導入以来、1985年に2代目の振動台を導入し、分社後も含めて数多く実施してきた振動試験の実績を背景に、振動試験法と耐震評価技術を確立してきました。
この基盤技術に基づいた継続的な耐震施策の成果により、1995年に発生した阪神・淡路大震災においても、情報通信設備の被害を最小限に留めることができました。
しかしながら、震度7を記録した阪神・淡路大震災では、これまでにない最大級の地震動が観測されました。震源に近いNTT神戸駅前ビルで記録された地震動を表1、図1に示します。
一方では、インフォメーションテクノロジーの高度化・多様化に伴い、情報通信が社会で果たす役割はますます大きくなっており、これらの施設を地震等の災害から守ることはマルチメディア社会の進展のなかで一層重要な課題となってきています。
そこでこのたび、こうした大きな地震動を、ビル収容各種設備や建物構成部材向けにフロアレスポンス(床応答)レベルで、加速度はもとより速度、変位まで含めて、高精度で再現できる世界最高性能をもつ3次元地震シミュレーターを3代目のシステムとして新たに開発導入し、マルチメディア社会の地震防災に対する取り組みを強化することとしました。 |
この振動試験システムは、電気油圧サーボ方式の加振機による3次元6自由度振動台により、実際に記録された地震動や模擬地震動を精度よくシミュレートできる高性能なシステムです(図2)。振動台は、台の動きをリアルタイムにフィードバックして自動補正を行うデジタル制御システムと、加振波形を事前に補正してデジタル制御システムをサポートするコンピュータシステムとの連携により、多様な試験条件に対応できます。
その特徴は、3m×3mの振動台上に最大7tの試験体を搭載して、最大加速度1.2G(G:重力加速度、980cm/s2)、瞬間最大速度200cm/s、最大変位100cmp-p(45゜方向)という震度7クラス最大級のフロアレスポンス加振が可能なことです(表2)。最大7tまで搭載可能ですので、ほとんどの装置・設備類や建物構成部材等は実物で試験ができます。
振動台上の試験体の動きは、高性能なデータ集録システムによってすべて同時に測定することができます。集録したデータは、即座に統計処理やスペクトル解析を行うことにより、効率的で信頼性の高い振動試験を行うことができます。また、試験データは、ネットワークを通してワークステーションやパソコンに転送し、高度な分析・評価を行うことができます。 |
振動試験システムは平成10年3月に完成。完成後は、マルチメディア関連機器・各種重要設備等の地震時における機能保持や重要情報保持等のための高度な耐震対策、及び免震・制震工法等の新技術の研究開発に活用し、地震防災技術の発展に幅広く役立ててゆく予定です。 |
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【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp |
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。 予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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