1. 従来の技術及び問題点、課題 |
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シール鉛蓄電池は密閉構造であるため、電解液比重の測定や補水等の保守作業が不要ですが、蓄電池劣化状態を推定する方法として、内部状態を把握するための単電池電圧測定が不可欠です。
また、非常用予備電源として商用電源の停電時等に負荷装置へ電力供給するには、蓄電池内部の腐食による断線や蓄電池放電回路の接触不良に起因するシステムダウンを防止する必要があり、そのための蓄電池放電回路の接続箇所や蓄電池端子の増締などの点検が必要です。
さらに、経年使用による蓄電池の容量低下に起因するシステムダウンを防止するには、蓄電池寿命を把握するための容量試験も必要となります(図1)。
このように、シール鉛蓄電池の信頼性を維持するためには多くの保守作業が必要となります。
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2. 開発した技術のポイント |
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蓄電池管理システムは、整流装置やUPSに放電回路診断機能、蓄電池寿命判定機能を付加し、組電池に蓄電池電圧監視機能を有する蓄電池管理ユニットを取付け、蓄電池システムを自動的に診断します。
システム構成を図2に示します。
蓄電池管理システムの機能について説明します。 |
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(1)放電回路診断機能 |
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蓄電池を放電させ、放電回路の正常性を診断する機能です。 |
(2)蓄電池電圧監視機能 |
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単電池の端子電圧を常時監視し、異常単電池を抽出する機能です。 |
(3)蓄電池寿命判定機能 |
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組電池の寿命を判定する機能です。 |
以上の機能により保守作業が自動化されるため、信頼性向上及び効率的な保守が可能となります。 |
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3. 適用拡大 |
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従来導入されている電源装置に対しては、蓄電池に”蓄電池寿命判定機能”及び”通信機能”を
有した蓄電池管理ユニットを付加することにより、蓄電池本体の診断ができます。
ただし、放電回路の診断はできません。
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4. 今後の取り組み |
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平成10年5月から、蓄電池保守サービス・販売を開始します。また、12月から400KVA以上の大容量UPSに適用を拡大していく予定です。
図2:システム構成
参考:蓄電池管理システムの主要諸元
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