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エネルギーを最大限に活用する「コージェネレーション」とは

2021年4月7日

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 コージェネレーションシステムは、エネルギーを効率的に利用できるという特性から、地球温暖化対策の1つとして注目され、すでにさまざまな分野で導入が進んでいます。今回は、環境に優しく、そして災害に強い地域づくりを可能にするコージェネレーションシステムの魅力について解説します。

無駄なくエネルギーを利用する

 コージェネレーションシステム(CGS)とは、熱と電気を同時に供給する仕組みのことで、その最大の特徴は、無駄なくエネルギーを利用できる点にあります。従来の発電システムでは、エネルギーの一部を熱として排出しています。CGSはそうした排熱を、例えば給湯や冷暖房など、熱に利用することができます。つまり、熱に変換されたエネルギーを捨てるのではなく、余すことなく有効活用します。

 近年ではCGSを、地域でエネルギーを有効活用する社会システムである“スマートコミュニティ”を実現するために導入する動きも見られます。スマートコミュニティでは、風力や太陽光などの再生可能エネルギーから電気を作り、工場やオフィス、家庭などへ電力を適切に配分します。しかし、自然を利用した電源の発電量は、気象条件に大きく左右されます。そこで、風力や太陽光などにCGSを組み合わせて、気候に左右されない安定した電力供給を可能にします。

 こうして複数の分散型電源を組み合わせたエネルギーネットワークを、“マイクログリッド”と呼びます。マイクログリッドでは、電力を消費する場所の近くに小規模な発電施設を配置するので、送電によるロスを低減できるというメリットもあります。

 大規模発電所で電力をつくり、高圧線を通じて離れた場所に送電する場合、距離に応じて送電ロスが生じます。利用する場所の近くで発電を行えば、送電ロスを最小限に留めて、効率的にエネルギーを利用することが可能です。このようにCGSには、「電力の地産地消」で街づくりをサポートする役割も期待されています。

2030年に700億キロワットまで拡大

 日本では、1980年代後半以降にCGSの導入が一気に進みました。2018年度末には、その累計設置容量は1,000万キロワットを超えました。さらに、経済産業省は、2030年までに700億キロワットにあたるCGSが全国で導入されると見込んでいます。その成長を支えてきたのは、工場や病院、ホテルといった施設です。

 化学工場、食品工場では生産工程における殺菌や消毒で、多くの熱を消費します。病院やホテルでは、冷暖房を必要とするため、熱と電力のどちらも供給できるCGSの普及が進んでいます。また、家庭では、ガスを燃焼させて発電するとともに燃焼時の熱を利用する給湯器が一般的になっています。さらに、家庭向け燃料電池CGSの支援策を打ち出すなど、政府もCGS普及に力を入れています。

エネルギーの有効活用に加えてBCPにも

 自立した電源として停電発生時にエネルギーを供給することができるCGSは、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の観点でも有用です。2011年の東日本大震災の発生以降は、BCPを目的としたCGSの導入も増えています。実際に、2018年に発生し、大規模停電を引き起こした北海道胆振東部地震では、CGSを導入していたために、停電期間中も電力・熱の供給を継続できたというケースがあります。

 街づくりの一環としてCGSを積極的に導入する自治体も増えています。ある自治体は、CGSで地域内の商業施設やホテル、農業施設などに電力と熱を供給しながら、環境に優しく、災害にも強いサステナブルな街づくりに取り組んでいます。

 エネルギーを無駄なく利用できるCGSの導入は、化石燃料の消費を抑えられるということにつながります。石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の消費が少なくなれば、排出する二酸化炭素の量も少なくなり、持続可能な社会、カーボンニュートラルの実現に近づくことでしょう。

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