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世界最高水準の省エネ性を達成した高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)
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室内機
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室外機

(1) 世界最高水準の省エネルギー性能の達成
   年間を通して冷房を行う必要のあるデータセンタ等のIT装置収容室での運用を前提にした機器設計を行い、低外気温時の高効率制御の採用、高顕熱運転設計、DC圧縮機の採用、最適な冷凍サイクル制御の確立、高圧冷媒であるR410Aの採用等の技術開発により、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では飛躍的な運転効率の向上を図りました。年間平均総合運転効率(COP)で4.4以上を達成し、汎用の電算機室用空調に比べ、40%の消費エネルギー削減を実現しています。
 このことは、電力エネルギーの発電に必要とされる一次エネルギーの消費量削減に貢献し、その結果として環境負荷低減にも役立っています。
(2) 高発熱IT装置冷却に対応した送風能力の確保
   高発熱のIT装置を適切に冷却するためには、必要とされる風量を確実に装置前面に供給する必要があります。一般的に、IT装置収容室にはこの「必要風量」を「確実に分配」するために二重床空調方式が採用されます。発熱の大きなIT装置を冷却するために大風量を分配する必要があり、空調機送風機の機外静圧の確保が重要となります。
 高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)の室内送風機は、空調機の信頼性保全性の観点から、室内送風機をベルトを介したプーリー駆動ではなく、電動機でのダイレクトドライブとしています。この機構を採用したうえで、機外静圧を120~300Paの範囲で設定可能とし、大風量をきめ細かく気流分配することが可能です。
(3) IT装置用空調機としての様々な制御技術の確立
   高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、IT装置用空調機として求められる様々な設計条件/運用条件に対応する豊富な制御オプションを実現しています。
1) 多点温度制御(当社独自技術:特許出願中)
   室内と二重床内にそれぞれ最大3点まで空調機制御用温度センサを追加することができます。多点に設置された温度センサで空調機を制御することで、室温の下がりすぎを防ぎます。また、温度センサ毎に設定値を設けることができるので、装置の温度条件に合わせて適正な温度分布を形成させることができます。
2) 冷凍サイクルの予測制御
   夏期等の室外機周囲温熱環境が劣悪な条件では、空調機が高負荷で運転した場合に高圧側の冷媒圧力が異常に高くなり、故障停止となる場合があります。高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、冷凍サイクルの予測学習制御機能を付与することで、この高圧異常による故障停止を回避することを実現しています。
3) 除湿制御(当社独自技術:特許出願中)
   サーバやルータは運用条件として湿度の規定範囲が狭いものがあります。このような情報通信装置を設置する機械室において、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では一時的に顕熱比を下げて積極的に除湿する「除湿制御」を設けました。この制御は、室内に設置する湿度センサから信号を受け、通常運転から除湿運転に移行し、室内の湿度が低下したら高顕熱運転に移行します。
4) 室外機低騒音運転モード
   高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では夜間等の近隣騒音対策として、通常よりも室外機の風量を低下させることで、運転音を低く抑えることができる「室外機低騒音運転モード」を搭載しています。低騒音モードで冷房能力が不足する場合には室外機低騒音運転を解除して通常運転に切り替わる保護制御を設けています。
5) 加湿器連動制御
   湿度条件が厳しいサーバやルータを設置する情報通信機械室では、加湿器を設置することがあります。高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)は加湿器の運転中に確実な顕熱冷却運転を実現するために、加湿器の運転信号と連動した高顕熱運転制御機能を有します。この制御中は、室内機送風機を最大運転し、さらに室外機送風機を抑制することで除湿しにくい運転状態とします。
(4) 機器信頼性の向上
 
 IT装置収容室における空調システムの信頼性は、24時間途絶えることのない情報通信サービスの信頼性確保の必須条件となっています。
 そこで、高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、主要構成品である圧縮機の長寿命化(40000時間)や制御基板の信頼性検討による長寿命化(10年)を図るとともに、一部の機能に異常が生じても可能な限り空調機の運転を継続する自己診断機能を搭載することで、高い運転信頼性を確保しています。
 また、震度6強の震災時にも運転を継続することが可能な耐震性能や、電磁ノイズ性能としてのエミッション、イミュニティについての国際的な規格を満足することを確認しています。
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耐震試験風景
(5) 地球環境への配慮
   地球を取り巻くオゾン層を破壊しないHFC冷媒(R410A)を採用しています。
 また、空調機輸送時の梱包材の徹底した削減による工事現場での廃棄物削減も図っています。
(6) 保全性の追求
   高効率年間冷房型空調機(FMACS-V)では、空調機の適切な維持管理を円滑に行うための技術開発にも注力しています。20台までの空調機の運転状態を管理する操作パネルでは、遠隔での運転制御や設定値変更だけでなく、空調機の異常時には詳細なメンテナンス情報を提供することができます。
 空調機本体は室内機室外機とも前面からの保守に対応し、圧縮機、電動機、電気基板等の主要部品はメンテナンス性に優れた構成に配慮しています。

表 製品仕様
  M型 LL型
定格性能 顕熱能力 kW 20.0 56.0
消費電力 kW 7.2 20.0
室内機 寸法 W×D×H mm 1195×600×1800 2145×900×1900
送風量 m3/min 112 350
機外静圧 Pa 120~300 120~300
質量 kg 390 845
騒音値 dB(A) 55 60
室外機 寸法 W×D×H mm 1100×550×1850 1800×900×1980
質量 kg 175 390
騒音値 dB(A) 55(低騒音運転時52) 57(低騒音運転時54)
共通 冷媒 R410A R410A
配管(液/ガス) mm φ12.70/φ19.05 φ12.70×2/φ19.05×2
最大配管長 m 120 160
最大高低差 m 40(改造対応で70) 40(改造対応で70)
電源 AC 3φ 200V 50/60Hz AC 3φ 200V 50/60Hz

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