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『ロケーションフリープロジェクタシステム』の開発について


1997-4-3発

株式会社エヌ・ティ・ティ ファシリティーズ(代表取締役社長 田中順三)は、株式会社応用計測研究所(代表取締役社長 中山鳩夫)と共同で「ロケーションフリープロジェクタシステム」を開発しました。
本システムは、プロジェクタ等からの投影画像の歪みをソフトウエアにより補正することで、プロジェクタ等と受像面の設置位置に関する制約を緩和し、建物エントランスホールやエレベータホールでの情報表示をはじめ、様々な分野に応用可能なシステムです。


INDEX
1. 開発のねらい

2. システムの概要

3. システムの特徴

4. システムの機能

5. 今後の予定

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1. 開発のねらい
弊社では現在、マルチメディア時代に適合したインテリジェントビル(マルチメディア・インテリジェントビル:MMIB)の構築に向け、マルチメディア・インテリジェントビルが具備すべき機能・性能・サービスの検討を進めておりますが、そのサービスアイテムの一つとして、マルチメディア・インテリジェントビルの居住者・利用者に対する快適な情報環境を提供するために、「ロケーションフリープロジェクタシステム」を開発いたしました。
2. システムの概要

参考図-1

プロジェクタ等を利用してスクリーンや建物壁面に情報を投影するとき、スペース上の制約から、プロジェクタ等と受像面(スクリーン等)が正対しない(プロジェク タ等の画像投影軸方向と、スクリーン等の法線軸方向が一致しない)場合があります。この状態で画像を投影すると、受像面では画像が歪んで表示されてしまいます。
参考図-1:プロジェクタとスクリーンが正対しないために発生する投影画像の歪み


参考図-2a


参考図-2b

●「ロケーションフリープロジェクタシステム」は、投影画像が受像面で歪まずに表示されるように、投影する画像のデータを予め補正して歪ませておき、上述のような原因によって発生する投影画面の歪みの発生を防止することを可能にしています。
参考図-2a,b:ロケーションフリープロジェクタシステムによる画像変換例

参考図-3

●「ロケーションフリープロジェクタシステム」を利用すれば、受像面の正面に人が立っている場合でも、プロジェクタ等からの画像投影光を遮らない位置にプロジェクタ等を設置して、投影画像を整形に表示することが可能です。
参考図-3:プロジェクタをスクリーンに対して斜めに設置した場合

参考図-4




●例えば、マルチメディアインテリジェントビルの付加価値メニューとして、情報掲示システム等への応用が考えられます。
参考図-4:情報掲示システムへの応用例
3. システムの特徴

参考図-5

●システムは、「(1)キャリブレーション機能 (2)投影画像補正パラメータ算出機能 (3)投影元画像データ変換機能 を備えたソフトウエア」とこれを格納する「パーソナル・コンピュータ」および画像を投影するための「画像投影装置(プロジェクタ等)」から構成されています。
参考図-5:投影画像補正システムの基本構成例

●スクリーン等の受像面上の4点又は5点の座標値を読み取るだけで、投影画像補正パラメータを算出することができます。また、表示される画像の内容や要求される精度によって、補正変換速度を重視したニアレストネイバ法(簡易変換法)と、補正変換後の画像精度を重視した双一次補間法(精細変換法)の2つの画像変換方式を利用者が任意に選択することが可能です。

●システムの動作OSをWindowsとしたことにより、高い操作性や汎用性を提供することができました。
 
 
4. システムの機能

参考図-6

システムは、「キャリブレーション機能」「投影画像補正パラメータ算出機能」「投影元画像データ変換機能」の3つの基本機能を備えています。
参考図-6:システムの基本機能と動作フロー




参考図-7
●キャリブレーション機能
プロジェクタ等からの画像投影軸とスクリーン等の受像面の法線軸のズレを特定する機能です。システム内に予め設定されているキャリブレーション画面を受像面に投影し、投影画面上に表示されている4点又は5点の座標値をシステムに入力します。
参考図-7:キャリブレーション画面
●投影画像補正パラメータ算出機能
キャリブレーションによって得られた情報をもとに、投影画面が整形に表示されるように元画像のデータを変換するための補正パラメータを算出し、元画像データの座標値と投影画像の座標値を1対1に関係づける補正関数を特定する機能です。算出された補正パラメータと補正関数はシステム内に保存することが可能なので、必要に応じて何度でも読み出して利用できます。
 
 

参考図-8

参考図-9
●投影元画像データ変換機能
算出された画像補正パラメータを利用して、受像面で整形表示されるように投影画像の元データ(ビットマップ)を変換する機能です。投影画像データ変換の原理は、受像面(スクリーン)上で整形に表示されるべき画像の座標値とRGB値を、画像投影装置内の発光面(例えば液晶プロジェクタ装置内部の液晶面)上の各画素の座標値とRGB値に対応させるということです。しかし発光面上の各画素は格子点なので、本来格子点の中間に位置すべきRGB値を近傍の格子点のRGB値情報として補間する必要があります。システムでは、この投影画像データの補間方法として、ニアレストネイバ法(簡易変換法)と双一次補間法(精細変換法)の2つの方法を任意に選択利用することが可能となっています。
参考図-8:ニアレストネイバ法
参考図-9:双一次補間法
 
 

5. 今後の予定
●システムの課題として、「システム動作の自動化・高速化」が重要です。キャリブレーション、投影画像補正パラメータ算出、投影元画像データ変換の一連のシステム動作をシーケンス化し、文字・画像・映像をはじめとする様々な情報形式に広く対応する必要があります。今後は、キャリブレーション動作の自動化と動画データへの対応方法を検討していく予定です。


本文中
Windowsは米国マイクロソフト社の登録商標です。
OS :コンピュータプログラムの実行を制御するための基本ソフトウエア
(Operating System)
キャリブレーション :データ値と表示値との差の補正
(Calibration)
ビットマップ :画像データの表示を画素(ピクセル)情報として処理する表示方式
(Bitmap)
RGB :赤(Red)緑(Green)青(Blue)によって色を定義するカラーモード
(Red Green Blue)
シーケンス化 :一連の動作の順序化
(Sequence)

【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。
予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。


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