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ビジネスコラム

オフィスの「ウェルネス」から考える生産性向上

2018年12月5日

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 前回は、脱炭素社会の実現に向け、企業やオフィスビルが対応するべきポイントについて紹介しました。現在、同じように社会的な課題となっているのが、働き方改革の推進です。その解決方法の一つにウェルネスがあり、特にオフィス環境の改善を通じた取り組みが必要だといいます。今回は、ウェルネスの増進を軸に、オフィスのあり方について考えます。

収益や企業の成長にも貢献するオフィスのあり方

 オフィスのあり方で大切なのが、ウェルネスの増進です。

 なぜなら、オフィスは従業員が多くの時間を過ごす場所であり、従業員の肉体的な面でも、精神的な面でも健康に大きな影響を与えます。実際にウェルネスを考慮し、オフィスの空間や設備を改善することが、従業員の生産性低下といった課題の解決に結びつくという調査結果もあります。

 ウェルネスオフィスを構築することで生産性が高まれば、企業の業績も向上も期待できます。それは、企業の持続的な成長を願う株主の期待に応えることにもなります。

 オフィス環境を改善し、従業員のウェルネスを増進することは、自社の収益を考える上でも、企業を成長させる意味でも重要な取り組みといえるのです。

「WELL認証」で評価する7つの項目

 ウェルネスオフィスを構築する際には、各種の評価ツールが役に立ちます。働きやすさや快適さというものは人によって千差万別ですが、評価ツールを使用することで、明確な指標にもとづいて取り組みを進めることができるからです。

 ウェルネスの代表的な評価ツールとしては、「WELL認証(WELL Building Standard)」があります。これは、建物を使用する人の健康や快適性に焦点を当てた評価ツールで、2014年10月から運用を開始しました。WELL認証を取得するには、まず認証機関に登録した上でその評価をクリアする必要があります。2018年11月20日現在で、累計の登録件数は1,034件(37ヵ国)、そのうち134件が認証を受けています。

 そこでは、「空気」「水」「食物」「光」「快適性」「フィットネス」「こころ」という7つのカテゴリーごとに建物や室内環境を評価。それぞれの評価に応じて、プラチナを筆頭にゴールド、シルバーのという3段階の認証が付与されます。

 なお、2019年には、改訂版「WELL v2」の運用が正式に開始します。WELL v2の評価項目は、「空気」「水」「食物」「光」「活動」「温熱快適性」「音」「材料」「こころ」「コミュニティ」。v1の7から、10に増えます。

ウェルネス増進のポイントとは

 WELL認証の評価項目を参考に、ウェルネスの増進に取り組むためのポイントを見ていきましょう。

 「空気」の評価項目では、汚染物質の制限、換気、湿気の管理、「水」は水質や添加物、「食物」はアレルギー物質の表示、手洗いといったものがあります。どれも健康に直結するものであり、重要性が分かります。

 「光」に関しては、机上面の明るさ、照明や昼光のまぶしさを適切に制御すること、「快適性」は、騒音や温熱快適性などを評価します。明るさや音、室温は、健康はもちろん、集中力にも大きく影響をするため、生産性を考える上で改善が欠かせない項目といえます。

 設備などのハード面だけではなく、ソフト面も無視できません。「フィットネス」では、階段利用の促進、運動支援プログラムが、「こころ」では、健康に関するガイドブックを準備することが要求されます。体だけでなく、心の面でも健康が維持でなければ、働きがいも活力も生まれないのは当然でしょう。

 WELL認証をはじめとした評価ツールを活用することで、取り組むべき内容が明確になります。それによって、従業員への配慮がより適切に行えるようになるのです。

 従業員1人ひとりが高いモチベーションのもとで、集中して仕事に取り組むことができれば、生産性が向上し、企業の業績にも好影響を与えます。さらに活気あふれる職場は、人材獲得や企業ブランドを高める上でも効果があるでしょう。企業はそのために、個人の資質に頼るのではなく、個人が資質を最大限にできるよう、ウェルネスを増進するオフィス環境を構築する必要があるのではないでしょうか。

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