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ビジネスコラム

「O&M」が太陽光発電の運用トラブルを未然に防ぐ

2019年3月20日

 前回は、長期化する太陽光発電設備の運用と、その中で重要性を増すO&Mについて紹介しました。太陽光発電設備の運転開始後には、実にさまざまな問題が発生して運用を妨げます。それらの芽を摘み取るのが「O&M」という手法なのです。今回は、太陽光発電設備の故障といったリスクを低減するために、どのようにO&Mと向き合えばいいのかを考えます。

長期運用にO&Mが欠かせない理由

 O&Mとは、運転管理(Operation)と保守(Maintenance)によって、太陽光発電設備を運用する上で妨げとなる問題を未然に防ぐ手法です。

 太陽光発電設備は時間の経過とともに、設備の故障が増えていきます。2012年にはFITがスタートし、多くの太陽光発電設備が構築されました。当時作られたものは、20年という法定耐用年数のうち7年近くの時間が過ぎようとしており、故障といった問題が顕在化しはじめています。

 O&Mでは、そうした事態を防ぐにはどうすればいいのか、 どうすれば被害を最小限にできるのかを考え、長期的な運用計画のもとで、日常的に保守点検やサイト管理といったメンテナンスを実施していきます。

 太陽光発電設備を構築する段階で、将来発生する可能性のあるリスクを洗い出した上で運用計画の中に盛り込み、稼働を開始してからは日常的な点検や整備を実施していくことで被害を最小限にします。それによって、常に安定した発電量の確保を目指すのです。

 発電量が安定すれば、売電型の太陽光発電設備であれば収益性の向上につながりますし、自家消費の場合はCO2削減を推進し、それを投資家や消費者にアピールすることもできます。

 さらに、2017年4月には改正されたFIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)の中で、すべての太陽光発電設備に対してO&Mの実施が義務付けられました。

安定稼働を支えるのは“地道な作業”

 O&Mの一般的な業務範囲には、発電量のモニタリングを含めた監視、定期点検、故障時の駆け付けや一時対応などの保守全般が含まれます。

 故障を未然に防ぐという点では、定期点検が重要になります。一昔前までは、東京ドーム何個分という広大な土地を、人が歩いて目視で確認するというケースもありました。近年は、監視カメラやセンサーを使った遠隔管理、サーモグラフィーによる不良モジュールの検知、ドローンでの巡回など、人の負担を軽減するような技術も利用されています。

 しかし、やはり肝心なのは人の手。太陽光モジュールが汚れたり、周囲の雑草に光をさえぎられると、発電量が低下したり故障する原因になります。そうした事態を防ぐためには、除草やモジュールの清掃といった作業を日々丁寧に実施していくほかないのです。

 このように、さまざまな最新技術と人の手による地道な作業を組み合わせる実施することが、20年超を見越した太陽光発電の運用には重要です。

故障による損失を最小限にするためには

 O&Mでは、設備の故障が発生してから検知するまでのスピードも重要です。

 太陽光発電設備に関する問題で最も発生件数が多いのは、電流を変換する装置「PCS(パワーコンディショナー)」の停止。ある調査によると、約90%の太陽光発電所で電力系統異常によるPCS停止が発生しており、そのうち、1年間に2回以上停止した発電所は51%にものぼるといいます。PCSを再起動する間、発電もストップしてしまいますので、スピード感のある対応が求められます。

 故障するのは、PCSだけではありません。塩害による腐食や鳥獣の糞や噛み付きなどに起因する設備故障の発生件数も少なくありません。そうした事態が発生してからの復旧時間を短縮すれば損失も小さくなります。そのためには、モニタリングを含めた監視を実施するとともに、停止時にすぐに駆け付けることが必要でしょう。

 今回紹介したように太陽光発電設備を安定的に運用していくためには、日ごろからの地道な監視・点検が欠かせません。それを適切に実施していく上で頼りになるのが、太陽光発電設備の20年後までも見据えたO&Mの視点なのです。太陽光発電による収益性の向上や、環境貢献に向け、長期運用の実現に付与するO&Mとはどのようなものか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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