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ビジネスコラム

「SDGs」から考えるこれからのまちづくりとは

2019年7月3日

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 前回は、政府が提唱する新しい社会のカタチ「Society 5.0」をキーワードに、これからのまちづくりについて考察しました。今回は、持続可能な社会を実現するために国連が策定した17の目標「SDGs(エスディージーズ)」を軸に、都市や地域が抱える課題、解決に向けた政府や自治体の動向、事例について解説します。

都市・地域の尽きることのない悩み

 世界では都市部の人口が急速に増加しています。2007年の時点で地球上の全人口のうち約半分が都市で生活していました。それが、2050年には全人口の2/3(60億人以上)が都市に集中するようになるという予測もあります。極端な都市化が進む中で、環境汚染といった様々な問題が顕在化しています。

 都市化は、日本でも悩みの種となっています。今後、都道府県庁所在地の特に中心部で人口が増加すると考えられています。一方、地域に目をやると都市化と反比例するように人口が減少。それによって地域産業が停滞する恐れもあります。

 世界、日本で進む都市化。それよって生じる種々の問題を解決するため、SDGsでは、「気候変動対策」「住み続けられるまちづくり」といった目標が設定されています。そうした都市とSDGsの関係性を示すような会合が日本で開催されました。

 2019年5月21日、都市の問題について議論する、「2019アーバン 20(U20)東京メイヤーズ・サミット」が東京都で開催されました。そこでは、ベルリンやヘルシンキ、パリ、ソウルなど26都市の代表が参加し、経済成長に向けた先端技術の活用や高齢者への対応のほか、「2050年までに再エネ100%を達成する」という大胆な目標などが提起されました。

 本サミットで前提になっていたのは、各都市の開発戦略をSDGsに確実に関連付けるということ。先述した目標も、SDGsの理念とも一致する「持続可能な経済成長(経済)」「社会の包摂及び統合(社会)」「気候変動対策(環境)」という3つの分野ごとの議論から導き出されたものです。

国、自治体の未来はSDGs無しには語れない

 持続可能な経済社会を実現するために欠かせない環境、社会、経済。この3つの分野を軸に、国レベルで新たなまちづくりを模索しているのが、政府の「環境未来都市」構想です。

 「環境未来都市」構想は、2010年6月に閣議決定された「新成長戦略」の中で国家戦略プロジェクトの1つとして位置づけられました。2011年度に11の都市・地域を「環境未来都市」として選定し、「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力のあるまち」の実現を目指す、先導的プロジェクトが進められています。

 自治体レベルでも、SDGsへの取り組みが進んでいます。自治体がSDGsの取り組みを内外にアピールすることで、少子高齢化に歯止めをかける、地域経済の活性化といった効果が期待されます。そうした取り組みの中から、特に優れた29都市を「SDGs未来都市」として国が選出しています。

 このように、まちづくりにおいてSDGsは欠かせないキーワードとなっているのです。

まちづくりで新たな価値を創造

 「環境未来都市」構想の取組事例から、これからのまちづくりについて考えてみましょう。取組事例は、環境価値の創造、経済的価値の創造、社会的価値の創造という3つの観点から整理されています。

 環境価値の創造は、世界的に脱炭素化の流れが加速するとともに重要性が高まっている課題でしょう。神奈川県のある自治体では、民間企業と協働し、太陽光発電といった再生可能エネルギーの導入、ビルや地域でのエネルギーマネジメントを推進しています。また、宮城県にある自治体は、避難所などに再生可能エネルギーの発電設備を設置することで、エネルギー自給率を高めるとともに防災機能の強化を図る取り組みを進めています。

 経済的価値の創造については、北海道の観光地では、観光客への新たな目的税をもうけることで、その税収を町民に還元しようと検討。沖縄県のある島は、EV 用充電器の設置やメガソーラー施設の展望台、エコツアーの拠点施設を整備することで、エコアイランドとしてブランド化し、観光の振興を図ろうとしています。

 社会的価値の創造では、高齢化対策として奈良県の自治体がICTを活用した高齢者みまもりサービスなど新規コミュニティサービスの導入を検討しています。また、防災の分野では、宮城県の自治体が災害公営住宅と周辺の病院、公共施設間で太陽光発電などを活用したエネルギーの地産地消を実現。電力会社からの電力が遮断された場合にも、3日間は電力供給が行える体制が整っているといいます。

 このようにSDGsを軸に環境、経済、社会といった視点から新たな価値を生み出そうとする取り組みが都市や地域で増えています。SDGs、あるいは前回とりあげたSociety 5.0といった時代の変化に合わせるように、まちづくりも進化しているのです。これからのビジネスやライフスタイルを考える上でも、そうした都市や地域の変化を把握しておくことは何かしらヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

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