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現実と仮想の力でビジネスを変える「XR」とは| ビジネスコラム | NTTファシリティーズ
ビジネスコラム

現実と仮想の力でビジネスを変える「XR」とは

2020年4月1日

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 XR(Extended Reality)とは、現実世界と仮想世界を融合する技術を総称した言葉です。現実では体験できないようなことがシミュレーションできるといった魅力から、今後、ビジネスシーンの幅広い分野で活用が期待されています。今回は普及間近といわれているXRの動向と最新事例を紹介します。

現実世界と仮想世界を融合する「XR」とは

 XRは、「VR」「AR」「MR」といった画像処理技術の総称です。

 VR(Virtual Reality)は仮想現実と呼ばれる技術で、コンピューターグラフィックスなどによって仮想世界を作り出します。ユーザーは、ヘッドマウントディスプレイや専用ゴーグルなどを装着。そこに映し出された映像を見るだけでなく自在に動き回り、まるで自分が仮想空間内にいるような没入感を体験できます。

 AR(Augmented Reality)は、現実世界の情報にコンピューターで作り上げた画像や情報を重ね合わせる技術で、拡張現実と訳されています。例えば、スマートフォンやタブレット端末に映し出された現実の映像に、キャラクターやテキストなどの情報を登場させるといったことができます。

 MR(Mixed Reality)はARをさらに発展させた技術で、複合現実と呼ばれています。現実世界に仮想の情報を重ね合わせるという点では同じですが、こちらは現実の世界にデジタル映像があたかも存在するかのように投影。ユーザーはヘッドマウントディスプレイなどを通してそれを体験します。また、デジタル映像を操作することもでき、同じ仮想空間上で複数の人間で協働作業を行えるというのも特長です

 VRは、実体験が難しい事や容易には行けない場所を、仮想空間でシミュレーションすることができます。一方、ARとMRは、現実世界に情報を重ね合わせて表示するといった活用方法に適しています。

『XR』はゲームからビジネスシーンへ

 XRの中で最も古い歴史を持つのがVRです。その登場は1930年代にさかのぼり、当初は飛行機の運転をシミュレーションするために開発されたといわれています。1990年代に入ると、日本のゲームメーカーが相次いでVRコンテンツを楽しめるゲーム機を発売し、身近なものになりました。しかし、当時の技術では仮想世界を表現する技術の完成度があまり高くなかったため、それほど普及はしませんでした。

 2016年に入り、やっと“XR元年”を迎えることになります。この年は、VR専用のハードウェアが次々と登場したほか、ARを使用したゲームが世界的なブームとなりました。その後も、ハードウェアの低廉化や多様化を背景に、VR市場は拡大。ある調査レポートでは、世界のXR関連市場は2017年に約140億円でしたが、2022年には2000億円を突破すると予測しています。

 世界を見てみると、米国のある企業では、VR専用のヘッドセットを全店舗に配布し、従業員のスキル向上を目的として、トレーニングにVR教材を活用している事例もあります。

 また、テレワークやリモートワークに活用しようという試みもあります。VRを用いた遠隔会議システムを使い、参加者の表情を仮想のキャラクターに反映したり、吹き出しなどを表示、実際に隣に人がいるかのような臨場感のある会議空間を演出するシステムを導入しています。これにより、実証実験に参加した利用者からは、「Web会議より誰が発言しているのか分かりやすい」といった声があがったといいます。

 世界的な家具販売店では、ARアプリによって自分の部屋の画像に実寸大の家具を設置し、購入前のシミュレーションができるようにしています。観光分野での事例も多く、看板や案内板をスマートフォンで写すと、日本語の表記を多言語に変換してくれるといったインバウンドを目的としたサービスもあります。

 MRは、製造の分野で人材不足や技術継承といった課題を解決する技術として期待されています。ある企業は、MRデバイス上で完成品と図面を重ね合わせてチェックすることにより、熟練工でも50分程かかっていた作業時間を約15分度に短縮。効率化を実現したといいます。また、コールセンター業務にMRを活用しようとする事例もあります。これは、コールセンターのオペレーターが問い合わせに対応する際に、製品の3D画像を確認しながら回答することで、応対品質を高めようというものです。

活躍の場を広げる『XR』

 XRは、これまでゲームやエンターテインメン卜分野での利用が市場をけん引してきました。しかし、今後は、製造業や観光業、小売業だけでなく、医療や行政といった生活インフラサービス分野などまで、幅広い活用が進むと考えられています。その用途も、トレーニングや遠隔コミュニケーション、シミュレーション、翻訳、デザイン&プロトタイプの作成、ビジュアライゼーションなど多岐にわたることでしょう。

 2019年の国内におけるXR・360°動画市場の見込みは3951億円で、これをカテゴリー別に上位からを見てみると、ゲームが475億円、法人向けサービスが204億円、制作・流通が173億円、位置情報・旅行が110億円となっています。

 特に市場の起爆剤となりそうなのが、日本では2020年度から商用サービスを開始する5Gの存在です。VRには、よりリアルな疑似体験を表現するために大量の高解像度映像が使用されるようになっています。「高速・大容量」「低遅延」という特長を持つ5Gの導入が進むことで、大量のデータトラフィックが生じるXRの利用も快適になると考えられます

 このようにXRは、着実に活躍の場を広げつつあります。それに合わせて、さまざまなビジネスシーンでXRを活用したイノベーションが進むことが期待されます。中でも、サイバー空間上に同様の状況を作り出す「デジタルツイン」の実現はXR無しには語れません。次回は、デジタルツインについて解説します。

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