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不動産投資家が熱視線!投資先としてのデータセンターの魅力

2020年12月9日

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 近年、データセンターが不動産投資家から熱い注目を浴びています。背景にあるのは、クラウドサービスの台頭などによるビジネス構造の変化。今回は、大規模化が進むデータセンターの今後の成長性や収益性について考察します。

拡大し続ける国内データセンターサービス市場

 ここ数年、世界におけるデータトラフィックは爆発的に増加しています。2020年5月の総務省発表資料によると、日本における光ファイバーやケーブルテレビ、DSLなど個人宅向けのサービスを指すブロードバンド(固定回線)契約者の月間総ダウンロードトラフィックは、約19テラビット毎秒。1契約当たり、毎日約3.3ギガバイトのデータをダウンロードしている計算になります。スマートフォンなどの移動通信を含めると、大量のデータのやりとりが行われているのです。

 さらに、5Gが本格的に普及すれば、4Kや8Kといった大容量の高画質動画、ARやVRなどの視聴も、より手軽に楽しめるようになり、データトラフィックはさらに拡大するものと考えられます。

 また、IoTの進展によって、自動車とインターネットがつながるコネクテッドカーや健康に関する情報を計測・送信するデジタルヘルスケアデバイスの普及、さまざまな計測機器を設置したスマート工場が増加するのに伴い、データ通信を利用する機器の数も増え続けています。

 こうしたデータトラフィックの増大が、データセンターの需要を押し上げており、ある調査会社によると、2020年の国内データセンターサービス市場は、前年比2.9%増の1兆4,518億円となる見込みです。同調査では国内データセンターサービスの年間平均成長率についても予測しています。それによると、2019年~2024年の年間平均成長率は9.1%で、2024年に国内データセンターサービスの市場規模は2兆1,828億円に達すると予測しています。

クラウドサービスの台頭でハイパースケールDCが増加

 市場規模の拡大が進むデータセンターには、投資家の視線も集まっています。データセンターへの投資分野で先行しているのがアメリカです。アメリカのREIT(不動産投資信託)市場では、データセンターに的を絞って投資するREITが5本上場しており、REIT全体の時価総額の約6%を占めるという推計もあります。

 一方、日本では従来、データセンター事業者自体が資産を所有し、運用も行う形態が一般的でした。そのため、データセンターが投資対象とされるケースがあまり多くなかったのですが、この1~2年ほどでそうした環境に変化が生じています。

 その背景にあるのが、データセンターの大規模化です。クラウドサービスの普及によってデータトラフィックが拡大するのに合わせて、データセンターの規模も拡大。国内では、クラウドサービスの事業者が利用する非常に規模の大きい「ハイパースケールデータセンター」の建設が増加しています。

 データセンターが大規模化するのに伴い、その建設費用の負担も増加しています。データセンター事業者はリスクを軽減するため、自己資金で構築するのではなく、不動産会社など第三者の資金によって建設し、利用するようになっています。

 このように、データセンター業界では規模の拡大から所有と利用の分離が進行。ハイパースケールデータセンターを建設するために資金を市場から集めたいというニーズに、魅力的な投資先を探している不動産投資家が注目しているのです。

長期間利用を前提にした設計で付加価値が高い

 データセンターが不動産投資として人気となっている理由は、高い収益性にあります。ここ数年の首都圏のオフィスや商業施設、物流施設といった不動産の収益性は、それほど高くありません。2020年9月に不動産投資家を対象に行われたある調査では、調査開始以来の最低値を更新したといいます。それらと比較すると、データセンターの事業は安定していて建設数も増加傾向にあり、対象にしている投資信託銘柄も堅調に推移しています。

 データセンターは、一般的な商業施設と比較して、長期間の安定稼働を前提とし、堅牢に設計されています。そのため、建物の付加価値が高く、特にハイパースケールデータセンターは、規模の大きなICTサービスの基盤として構築されることが多いため、投資先としての信頼性も高くなる傾向があります。

 投資対象として注目を集めているデータセンターですが、安定的に稼働するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。次回は「データセンターにとって重要な立地条件」を紹介します。

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