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NTTファシリティーズ

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CSR報告書 2017 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

研究開発体制の整備・促進

研究開発拠点

ファシリティーズ・イノベーションセンター(新大橋ビル)を
通じた積極的な実証研究の推進

ファシリティーズ・イノベーションセンターは、研究開発オフィスと試験検証施設を統合した、「次の20年を見すえた実証実験型オフィス」です。2014年に江東区の隅田川沿いにオープンした同ビルにおいて、私たちは、自らのワークプレイスを実験対象として、環境面から安全面に至るまで、多面的に次世代のオフィスファシリティの在り方を検証しています。
同センターは、その先進的な技術を多数盛り込んでいることも特徴です。耐震・免震性はもちろん、自然通風や地中熱の利用、新開発の輻射空調システムの導入などにより省エネにも配慮しました。使いやすさも特徴で、内部のレイアウト変更が容易にできる構造になっています。
また、このセンターでは、通常はオフィスに設置するICT装置をビル内のデータセンターへ集約し、オフィスからICT装置を物理的に分離することで、ICT装置とワーカーのそれぞれに最適な環境を構築し、その省エネルギー性や快適性等を定量的に示しました。同時に、ビル全体の情報をICTにより統合的に扱うことで、ビルの運用を最適化するとともに、さらなる省エネルギーを実現しました。1年間の実測の結果、一般的なオフィスビルと比較して一次エネルギー消費量を約60%低減しました。また、データセンターにおいては、一般のデータセンターと比較して、電源システムと空調システムの消費電力を約45%削減しました。
本ビルは実証実験型の研究開発オフィスであり、「自らが開発したものを自らが体験する」ことで、技術を継続的に研鑽します。さらに、積極的にオフィスを公開する等、普及促進に向けた課題にも取り組み国内外のビルに広く導入展開することで、地球温暖化防止に貢献しています。
これらの先進的な取り組みは内外で注目を集めており、2016年度も一般財団法人電気設備学会主催の「第27回電気設備学会賞、技術部門施設奨励賞」、環境省主催の「平成28年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰、対策技術先進導入部門」、公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会の主催する「第11回JFMA賞、優秀ファシリティマネジメント賞」を受賞するなど、高く評価されています。

データセンターを支える5つの要素技術の研究開発

社会のICTインフラとして、今やデータセンターは、サステナブルな社会の発展へと大きな責任を担う存在となっています。また人工知能(AI)の進化やIoTの浸透を背景に、データセンターに関わる技術革新も日々加速しています。
このような中、当社は、ファシリティの専門家として、より効率性、環境性、安全性に優れたデータセンターサービスに向けた技術の研究開発を継続しています。具体的には、「給電方式技術」「EMC(電磁両立性)技術」「熱マネジメント技術」「構造設計技術」「IoT・AI活用技術」の5つの要素技術を重視しています。
給電方式技術では、交流給電と比べて給電効率・信頼性を高められるHVDC(高電圧直流)給電の技術開発を進め、実用化を推進しています。当社は、IEC(国際電気標準会議)、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)におけるHVDCの標準化活動にも貢献しており、標準化の進展を見据えたソリューションの提供が可能です。
EMC技術では、雷やノイズ、接地に関する技術開発を行い、雷やノイズに起因するトラブルの解決だけでなく、トラブルを未然に防止する技術も提供しています。
熱マネジメント技術では、近年のクラウドサービスの進展に対応し、高発熱なICT装置に適した室設計や気流制御、運用技術を開発しています。また、豊富なデータセンター運用経験から得たノウハウを注ぎ込んで開発した、高効率なデータセンター向け空冷パッケージ型空調機「FMACS-V」「FTASCL-RS/C」が、全国で数多く使われています。
構造設計技術では、3次元振動台を用いて行う装置・機器などの耐震性能評価技術を開発し、建物自体の耐震性に加え、サーバーラックなどの収容設備の耐震性も含めた総合的な防災技術の開発を進めています。
IoT・AI活用技術では、NTT局舎を運用してきた時代から蓄積してきた設備情報のノウハウを用い、故障の予見など予防保全につなげる技術を開発しています。
NTTファシリティーズは、これら5 つの要素技術を適材適所に組み合わせ、トータルで付加価値を備えたデータセンターを提供できることが最大の強みだと考えています。これらの技術的なバックボーンに加えて、データセンターの設備・運用・保守・故障情報をDCIMで一元的に管理し、その情報を活用して、NTTファシリティーズならではの、効率性、環境性、安全性を高い次元で実現したデータセンターソリューションを、日本そして世界各地へと浸透させていきます。

NTTファシリティーズの強みである5つの要素技術
NTTファシリティーズの強みである5つの要素技術

R&Dフォーラムの開催

NTTファシリティーズは、より先進的な技術の開発と、CSの維持・向上とを両立するためには、研究開発に関してもお客様との間で密接に意見交換を行う必要があると考えています。この考えを着実に実践するため、2017年1月、ファシリティーズ・イノベーションセンター(新大橋ビル)において、研究開発部主催による「R&Dフォーラム」を開催しました。同フォーラムでは、各領域の専門家による講演に加え、給電技術や空調技術、データセンター統合運用技術、BCP技術など、多彩な技術の展示を行い、来場者の皆様と活発な意見交換を行いました。また同センターの常設施設である「見せるサーバールーム」においても、NTTファシリティーズの各種技術を統合したデータセンター運用ソリューションなどを説明するなど、皆様の理解を深めていただきました。

  • R&Dフォーラムの様子
  • R&Dフォーラムの様子

R&Dフォーラムの様子

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