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今、定着しつつある「働き方改革」の動向

2019年11月20日

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 働き方改革のターニングポイントになったのは、2016年のことでした。同年8月、政府が一億総活躍社会実現のために、働き方改革担当大臣が設置されたことで、大きく動き出したといえます。それから3年以上が過ぎていますが、企業での取り組みは進展しているのでしょうか。今回は、働き方改革の進展を探るとともに、取り組むためのヒントについて探ります。

働き方改革の進展する陰で“ひずみ”が…

 2016年から3年の間に、働き方改革に取り組む企業は着実に増えており、その内容も変化しているようです。

 ある調査によると、2016年度に取り組んでいる企業は32.1%でした。それから2年後の2018年度は38.9%と6.8ポイント増えています。これだけですと、進捗はわずかに思えるかもしれませんが、1,000人以上の企業に限れば、2018年度は62.3%が働き方改革に取り組んでいます。

 働き方改革による影響も、2016年度と2018年度では結果が違うようです。2016年度に働き方変革に取り組んでいる企業の変化として回答が最も多かったのは、「休暇が取得しやすくなっている」でしたが、2018年度は「労働時間が減少している」でした。

 一方で、ひずみも表れています。長時間労働の是正に取り組む中で、業務時間中に終わらなかった仕事を自宅で片づける隠れ残業や、残業時間規制が適用されない管理職への負担の偏りなどといった、新たな課題に直面している企業もあります。

RPA、ウェアラブルデバイスで生産性向上へ

 働き方改革を経営改善につなげるためには、長時間労働の是正とともに、生産性を高めるという視点も重要です。近年では、ICTの活用によって生産を高めようという企業が増えています。

 働き方改革に取り組んでいる企業のうち58.2%が、「ビジネスチャット、LINE、Slack等」といったコミュニケーションツールを活用しているという調査結果もあります。同調査では、「電話会議・Web会議システム等」を活用している企業は69.4%に及ぶともいいます。

 そうしたツールを活用することで無駄な移動時間を削減が可能となります。それによって、より効率的にコミュニケーションをとることができ、その活性化にもつながるでしょう。

 目新しいところでは、「RPA(Robotic Process Automation)」する企業も増えています。RPAとは、従来人間が行っていた単純な事務作業などを代行し、効率化図るためのソフトウェアです。ある商社は、入力作業にPRAを導入したところ、年間130時間かかっていた入力作業を30時間に短縮することに成功したといいます。

 このように、ICTを活用することで働き方改革を推進している企業もあるのです。

ダイバーシティが創造性を高める

 働き方改革では、生産性向上だけでなく、創造性の発揮という部分にも注目が集まっています。

 創造性と関連付けられて語られることが多いのがダイバーシティです。ある調査で企業の経営者・人事担当者にダイバーシティの実施について質問したところ、32%が「実施している」と回答しています。実施企業の取り組み内容としては、「多様性のある人材の採用」が最も多く、次に「多様性のある雇用形態・就業規則」となっています。

 「多様性のある人材の採用」については、労働力が減り続ける中で、今後ますます重要性を増すことでしょう。社会には能力や意欲があるのに、家庭環境といった様々な理由から、企業で十分に能力が発揮できない人がいます。そうした人材を雇用・活用することが、今後の企業にとって重要であると考えるようになっているのです。

 ダイバーシティの取り組みとしては、例えば、育児や介護などがしやすいように柔軟な勤務体系を整備する、LGBTの方や障がいのある方を積極的に採用するといったものがあげられます。

 組織の多様性が高まることは、企業にとって大きな力になります。バラエティ豊かな人材が活躍することで組織が活気づきますし、多様化する顧客ニーズを的確に捉える上でも多面的な視点が役立つことでしょう。

 柔軟な勤務体系という点では、テレワークなどを採用する事例があります。ある自動車会社はテレワークの導入により、従業員が自分の時間や家族との時間に対してより充実を感じるようになったと報告しています。

 このように、2016年から働き方改革の裾野は着実に広がっています。企業における取り組み内容も、長時間労働の是正にとどまらず、生産性や創造性の向上につながるものへと変化してきているのです。

 しかし、働き方改革を推進するということは、簡単なことではありません。特に生産性へとつなげようとすると、ダイバーシティだけでなく様々な取り組みが必要になります。そこで注目をしたいのが、働き方改革とオフィス環境の関係性です。オフィス環境の有り方は、そこで働く人々に大きな影響を与えているからです。次回は、その詳細について紹介します。

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