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ビジネスコラム

働き方改革における「オフィス改善」の役割とは

2019年11月27日

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 前回は、この3年間で働き方改革が企業にどのように定着しているのかを振り返るとともに、ICT活用やダイバーシティ対応といった取り組むためのヒントについても紹介しました。近年では、そうした業務プロセスや勤務体系などに関係する対策の他に、オフィス環境の改善によって働き方改革を推進しようという企業が増えています。今回は、働き方改革とオフィスの関係性について解説します。

働き方改革におけるオフィス改善の役割とは

 働き方改革を推進することで、従来の長時間労働の是正という目的から一歩進み、生産性、創造性の向上へとつなげようという動きがあります。そこで、大きな役割を果たすのがオフィス環境の改善です。

 オフィスは知的生産が行われる現場であり、その在り方は従業員に大きな影響を与えます。そのことを多くの企業が認知しており、ある調査では、今後取り組みたい働き方改革の施策について質問したところ、「休暇取得の促進」「テレワークの導入」に続いて、「オフィスの改善」という回答が多くあげられました。

 同調査では、オフィス環境に満足している従業員の約90%が、「自社の『働き方改革』にも満足している』と回答しており、このことからも働き方改革とオフィス環境がいかに密接に関連し合っているのかが分かります。

コミュニケーション活性化の鍵がオフィスに

  働き方改革にとって重要なのが、コミュニケーションの活性化です。オフィス内でのコミュニケーションをあげることは、従業員に新しいアイデアをもたらし、士気にも大きな影響を与えることでしょう。また、組織の創造性を高めることにもなります。

 それにより、オフィスの改善に取り組む事例が増えています。ユニークなものとしては、リラックスして会話ができるように、娯楽スペースや部活動の部室を設置したケースもあります。また、顧客やパートナー企業とのコミュニケーションを密接にするため、「共創スペース」を設ける企業も少なくありません。

 そうした取り組みを適切に行うことで、企業を活性化します。一方で、改善の効果を定量的に可視化することが難しく、それが課題となっていました。しかし、IoTなどの普及によってオフィス環境の様々なデータが取得できるようになり、状況が大きく変わろうとしています。

データをもとに変わるオフィス

 テレワークが進む企業では、従業員のオフィスが滞在する時間は少なくなっています。そうした状況下で、従業員がオフィスにいる希少な時間を限りなく有効的に活用したいというニーズも生まれています。それには、オフィス環境の価値を高める必要がありそうです。

 例えば、コミュニケーションを増やすために、ゆとりを持たせ気軽に会話できる執務室や、インフォーマルなコミュケーションを取るためのスペースを設けるといった施策があげられます。

 そういったオフィス内のコミュニケーションを、IoTなどを活用してモニタリングし、効果を可視化させたうえで改善へとつなげます。そうすることでオフィス改善が、どのように生産性の向上につながっているのか検証していきます。収集したデータにより、リフレッシュスペースをどこに設置すれば最適なのか、といったレイアウトの改善も、より的確に実施することができるのです。

 新しいかたちの働き方改革も模索されています。社員がテレワークする際に、オフィスにカメラを付けたロボットを代わりとして置き、それを介して同僚とのコミュニケーションを行うという取り組みがあります。

 このように、データのみならず、ロボットなどの最新のテクノロジーを活用することで、働き方改革はさらに前進していくことでしょう。その舞台となるオフィスの有り方について、改めて検討してみてはいかがでしょうか。

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