現在、施設の低炭素化は、多くの企業が直面する経営課題となっています。その実施にむけ大きなテーマとなるのが、主要なエネルギー消費源の一つである空調設備の省エネルギー化ですが、その実現には、設備投資の必要や導入施工時の業務への影響など、課題が多く存在します。
NTTファシリティーズでは、先進のICTを活用し、既存の空調設備はそのままに、空調機や熱源機、送水ポンプといった各種空調設備を統合・自律管理することで省エネルギーを実現する「SmartStream®」を開発。多くのお客様に導入してきました。さらに2016年1月には、その制御技術を更に洗練し、機能を分割して段階的に導入することが可能な「SmartStream®-X」の販売を開始しました。具体的には、人工知能を持つ制御装置を①冷却水ポンプ、②2次ポンプ、③熱源機、④空調機の制御盤にそれぞれ組み込み、その制御装置が省エネルギー制御をおこないます。また、無線による通信機能により、各制御装置の情報をネットワークで共有させ、
連携することで従来の中央一箇所の自律制御盤と同等の働きをします。これにより、より多様な施設への柔軟な導入が可能となりました。
「SmartStream®-X構築イメージ」

NTTファシリティーズでは、2020年を視野に環境保護の行動計画を「環境保護推進アクションプログラム」として取りまとめていますが、事業を通じての社会の環境負荷低減とともに、自社の低炭素化の取り組みも主要な責任の一つと定めグループで推進しています。
具体的には「自社のCO2排出量の削減」を主要な取り組み項目に位置づけ、「オフィスビルにおける電力使用量削減」と「社用車の低公害車化」の2つのアプローチから実施しています。前者では、SLC(スマートライティングコントローラー)をはじめとする省エネ機器の設置をすすめるとともにクールビズ等の省エネ活動を実践しています。この結果、2015年度のオフィスでの電力使用量は15.3百万kWh、CO2排出量で8,204t-CO2(前年比300t-CO2削減)と目標を達成しました。後者では、ハイブリッド車やクリーンディーゼル車等の低公害車の採用拡大やエコドライブの実践などで2015年度の社用車使用にともなうCO2排出量は1,881t-CO2(前年比112t-CO2削減)となり目標を達成しました。
NTTファシリティーズグループ「環境テーマ」および「環境保護アクションプログラム」の詳細は、詳細版CSR報告書「人と地球のコミュニケーション」をご覧ください。
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本社ビルでのSLCの採用
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低公害車
再生可能エネルギーの活用推進
NTTファシリティーズでは、再生可能エネルギーを活用する社会の仕組みづくりを推進しています。中でも太陽光発電はその中核と位置づけています。山梨県北杜市で運営するFソーラーリサーチパークでの太陽光発電モジュールなどの評価・検証や発電システム効率向上技術等の開発、及び全国に展開する自社メガソーラー発電所等の構築・運用で培った技術とノウハウを礎に太陽光発電の未来を担うシステムインテグレーターとして、最高峰の太陽光発電システムの提供に挑み続けています。
さらなる普及を後押しする、「Fソーラーパッケージ Mタイプ」の開発・販売
2012年の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」の開始以降、日本各地で太陽光発電所の構築が進んできましたが、更なる構築促進に向け、より効率的な発電システムの普及が期待されています。このような問題意識に立ち、NTTファシリティーズが開発を続け、2016年6月より発売を開始した「Fソーラーパッケージ Mタイプ」は、東西方向にM(エム)の形となるように太陽電池アレイを配置する「M字型アレイ工法」を用いた太陽光発電システムで、敷地面積あたりの太陽電池パネル設置容量で20〜40%、年間発電量で10〜30%の向上を実現しました。 同システムは太陽電池パネル、架台、制御システムがユニット化されているため、設計の手間を大幅に簡略化できることも特徴です。NTTファシリティーズは同システムの普及を通じ、日本各地で再生可能エネルギーの活用を促進します。

パース図

現物写真

