CSR報告書 2017 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

安全でスマートな社会づくりへの貢献

世界規模で社会のICT化が進む現在、その波はファシリティづくりにも大きく影響を及ぼしています。特に、NTTファシリティーズでは、安心・安全な日常生活に寄与することと、自然エネルギーの活用も含めた低炭素社会の実現に寄与することが、次世代のファシリティのキーテーマとなると見据え、研究を進めてきました。その成果は、各地で進むスマートコミュニティの実証プロジェクトにおいて、さまざまな形で結実しています。

新たな推進組織の結成

スマートエネルギービジネス本部の設置について

NTTファシリティーズグループは、社会の変化を見据え、新たな価値を提供し続けるビジネスモデルの模索を推進しています。
2016年7月には省エネ・安心・安全等、社会のニーズに適応した品質の高いサービスをより迅速に開発しご提供できるように、環境への配慮とBCP対策を両立した建物を提案し実現する「グリーンITビルビジネス本部」、電力供給とエネルギーマネジメントで電力消費削減による環境負荷低減を提案し実現する「スマートビジネス本部」、メガソーラーをはじめとする太陽光関連の設備を提案し実現する「ソーラービジネス本部」など5つのビジネス本部を設置するとともに、各ビジネス本部の提案を実際に設計・構築する「エンジニアリング&コンストラクション事業本部」、及び構築された建物や設備のマネジメントを行う「オペレーション&メンテナンス事業本部」の2つの事業本部体制を核とする新たな業務運営体制を構築し、より時代に即した業務運営体制の模索を強化しました。
2017年7月には、これら新組織での一年間の成果をうけ、特にエネルギー関連市場の動向を踏まえ、脱炭素ビジネスの一体的かつ効率的な運営体制を構築するため、「ソーラービジネス本部」と「スマートビジネス本部」を統合し、「スマートエネルギービジネス本部」を新設。太陽光発電事業およびエネルギーマネジメント事業のワンストップ提案体制を強化しました。これにより社会の脱炭素化・スマート化を推進し、持続可能な社会づくりへと一層貢献していきます。

地方創生に向けたイノベーション

「あじさい型スマートコミュニティ」を支えるCEMSシステム

岩手県北上市が持続可能な都市のかたちとして掲げる「あじさい都市」を、環境・エネルギー面、防災面から具体化するための「北上市あじさい型スマートコミュニティ構想モデル事業」に当社は事業実施主体として参画しました。
このモデル事業では、東日本大震災時、エネルギーや社会インフラの脆弱性に直面した経験を踏まえて、自立・分散型のエネルギー供給システムを構築すると共に、自立的かつ持続可能な「スマートコミュニティ」を構築するものです。NTTファシリティーズは、分散電源が導入され防災拠点となる市内各所の公共施設を結ぶCEMS(地域エネルギー・マネジメント・システム)を構築し、一元的なエネルギーマネジメントを実施、災害時の市内の防災機能の面的な強化に寄与するとともに、平常時には電力需要のピーク制御や照明・空調の制御で環境負荷低減に貢献しています。また、2015年4月には北上新電力を設立し北上市所有のメガソーラー発電所の電力を購入することで、再生可能エネルギー比率の向上、電力の地産地消を実現しています。
北上市の取り組みは内外から注目を集めており、2016年3月には一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が主催する「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2016」において「先進エネルギー自治体大賞優良賞」に選ばれました。これらの成果をもとに、被災地は勿論、各地の地域創生へと貢献し続けます。

「あじさい型スマートコミュニティ」を支えるCEMSシステム
「あじさい型スマートコミュニティ」を支えるCEMSシステム

地域新電力への積極的な出資・参画

地域新電力とは、規制緩和に伴う電力自由化の開始をうけて日本各地で誕生しつつある、新しい形の電力事業者です。その特徴は一言でいうと「電気の地産地消」です。従来は地域外に流出していたエネルギー(電気)を近隣地域へと供給する仕組みを作ることで、スマートコミュニティの実現促進と同時に地域産業の活性化・雇用促進への効果が期待されています。再生可能エネルギーでの発電を積極的に活用している点も特徴といえます。
NTTファシリティーズでは、メガソーラー事業およびスマートコミュニティ事業で培ったノウハウを活かしつつ地域創生に貢献するべく、地域新電力への出資・参画を積極的に推進しています。具体的には、2015年9月に設立された(株)やまがた新電力ならびに2015年10月に設立された(株)浜松新電力へと出資・参画したことを皮切りに、各地での参画を検討しています。
地域新電力には、それぞれ、各地の自治体や地場産業をはじめ、金融機関や電機メーカー、建設業など多彩な企業が参画し、地域創生に向けた協働を進めています。NTTファシリティーズも、ファシリティおよびエネルギーマネジメントに知見を有する企業として、引き続き地域新電力への参画を推進します。

節電ポイントサービス「コミュニティ向けカフェテリアプラン」の試行

NTTファシリティーズと三井不動産レジデンシャル(株)は、2015年9月より鹿児島県において、マンションコミュニティの活性化と節電、地域産品の消費促進などを目的とした節電ポイントサービス「コミュニティ向けカフェテリアプラン」の試行導入を開始しました。
近年、低炭素社会の実現に向け、マンションのような集合住宅における節電の促進に社会の関心が集まっています。また、高齢化社会の加速も視野に、居住者間、または地域との交流の促進も、その重要性を高めつつあります。NTTファシリティーズは、「マンション電力供給サービス」として、共有部への電力供給にMEMSを組み合わせ、マンションの電力見える化とデマンドレスポンスを実現しています。これと三井不動産レジデンシャルの顧客サポート業務を組み合わせることで、同サービスでは、居住者への節電要請や共用部節電を効果的に実施します。加えて、居住者には節電成果に即して地域産品の購入ポイントや地域催事(ふれあい教室)への参加ポイントなどを付与し、コミュニティでの交流ならび地産地消の促進を図ります。
今回の試行導入は2016年3月まで実施されました。今後、その成果を検証し、よりきめ細かいサービスの実現を図る予定です。

カフェテリアプランの概要

カフェテリアプランの概要

公共施設の健全化提案の推進

地域コミュニティの核として、また、地域創生への基盤インフラとして、全国の自治体が保有する学校や市民センター、市営住宅、道路・橋梁といった公共施設の担う役割は重要です。一方で、公共施設には高度成長期に建設されたものも少なくなく、その老朽化の進行と、維持費・更新費の増大が懸念されています。
これら公共施設の「健全化」は全国共通の課題であり、NTTファシリティーズもその改善に向け多彩な取り組みを展開しています。具体的には、NTTグループの施設をはじめ、数多くの大規模施設のFM(ファシリティマネジメント)業務で培ったノウハウを活かし、公共施設の老朽化対策や安全性対策は勿論、適正配置の実施や運営体制の改善に向けた助言などを行っています。
これらの取り組みには①施設量の適正化、②品質の適正化、そして③コストの適正化という「3つの視点」を徹底しており、質の高い住民サービスと適切なトータルコストの両立という公共施設の抱える課題の解決に寄与しています。

公共施設マネジメントの3つの方針

公共施設マネジメントの3つの方針

IoTとファシリティ

研究施設へとIoTを積極導入した
ダイキン工業「テクノロジー・イノベーションセンター」

IoTの活用が本格化しつつある現在、施設のエネルギーマネジメントの中核システムとなるBEMSにも、更なるデータ活用を通じた機能強化へと社会の期待が高まっています。2015 年に竣工したダイキン工業「テクノロジー・イノベーションセンター」は、同社の強みでもある空調技術を駆使し、施設の省エネルギー性と屋内環境の機能性・快適性の両立を目指した技術開発拠点です。同センターのBEMSには、NTTファシリティーズのFITBEMSが採用され、BEMSの施設内に設置された数万にも及ぶセンサーや、設備、実験装置から、情報の収集と蓄積、分析、可視化を行っています。
同センターでは、顧客に対し、省エネルギー施策の導入有無による効果に関する、理論値・実測値を含めたきめ細かい差異シミュレーションの実施と、室内環境およびエネルギー性能の可視化を提供しています。ここでFITBEMSの持つ、①実験装置など様々な機器と接続し情報を収集管理できること、②収集したデータをもとにエネルギーシミュレーションによるベンチマークができること、③計測データやシミュレーション結果とデジタルサイネージが連携し多様な見える化が可能であること、といった強みか活かされており、次世代のビルディングIoTの可能性が日々模索されています。

リアルタイムでシミュレーションし、デジタルサイネージに表示されたエネルギー効率

リアルタイムでシミュレーションし、
デジタルサイネージに表示されたエネルギー効率

リアルタイムでシミュレーションし、デジタルサイネージに表示されたエネルギー効率

可視化された室内環境

本社ビルに求められる機能を先進的な設備で実現した「八洲電機本社ビル」

企業の本社ビルには、「経営の中枢」としての高い業務効率性と事業継続性は勿論、「企業のランドマーク」としての環境性や快適性が求められます。八洲電機が創立70周年を機に改築した新本社ビルはこれらのニーズを先進的な設備で実現しています。NTTファシリティーズは設計・監理などを担当しました。
同ビルでは、まず業務効率性の模索の観点から複数あった拠点を集約したうえで、施設で働く方々のコミュニケーションを更に促すため、マグネットスペースの分散配置、フリーアドレスの採用、全館無線LAN化などを徹底したフロア設計としました。
また事業継続性と環境性の観点も徹底した設計となっており、高い耐震性能、3日間の事業継続を可能とするための燃料を備蓄した非常用発電設備と防災備蓄品用倉庫や、自然換気、自然採光、太陽光発電システム、節水型衛生器具などを備えています。加えて照明設備では全館に環境配慮型照明システムとしてFIT LCも採用。IoTを積極活用した「快適な省エネ」を実現しています。こうした各種施策が評価され、CASBEE(新築)のAランク認証を取得しています。

FIT LC 利用イメージ

FIT LC 利用イメージ

IoT時代を先取りした、スマートなビル管理ソリューションの実現

NTTファシリティーズは、「Smart & Safety」のスローガンのもと、「グリーン×ITビル」ビジネスを推進してきました。IoTの浸透が加速する現在、その成果は多彩なソリューションに表れています。例えば経済性と効率性、安全性が重視されるオフィスビルにおいては、空調のエネルギー効率を改善する「Smart Stream」、照明の消費電力を削減する「FIT LC」、非常時の建物の安全度を可視化する「揺れモニ」などのIoTソリューションを提供しています。さらにこれらを統合ビルマネジメントシステム「FITBEMS」により最適制御するとともに、FOC(ファシリティーズオペレーションセンタ)で遠隔操作することで、平時の省エネは勿論、非常時のBCPも両立することが可能です。今後もIoTを活用したソリューションやサービスをさらに推進し、サステナブルな社会の実現に貢献する、価値を生みだすファシリティマネジメントを実現していきます。

「効率化のためのICT」から「価値を生みだすIoT」へ

「効率化のためのICT」から「価値を生みだすIoT」へ

安全性と環境性を高い水準で両立したオフィスビル「品川シーズンテラス」

社会の低炭素化ならびにレジリエント化の流れを受け、現在、オフィスビルをはじめとする大規模施設には、環境性能と安全性能との両立が強く求められています。このような中、NTTファシリティーズが設計を担当した、品川シーズンテラスが注目されています。
2015年5月にグランドオープンした同ビルは、首都圏の中核ビジネスエリアとして賑わいを見せる品川のランドマーク的なビジネス拠点を担います。その特徴として、まず先進的な省エネルギーシステムを積極的に導入している点があります。壁面緑化や太陽光発電はもちろん、大規模な太陽光採光システムや高度に制御された空調システム、下水熱を利用した熱供給システムなどを組み込んだ同ビルは、環境性能を評価する著名な評価制度であるCASBEEで最高のSランクを取得しています。また安全面の配慮も徹底されています。高い耐震性能を備えた免振構造に加え、非常時のライフライン途絶に備えた貯水槽や非常用電源を設置しビルの機能を72時間維持できるなど、BCP性能の確保が徹底されています。
NTTファシリティーズは同ビルの維持管理も担当しており、環境性能とBCPを高い水準で両立した街づくりを推進する上で重要な役割を担うプロジェクトとなります。

品川シーズンテラス

品川シーズンテラス

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