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CSR報告書 2019

リスクマネジメント・BCP対策の強化

自然災害をはじめとするさまざまなリスクに備え、また、有事にも揺るがずサービスを提供し続けることは、社会に対する基本的な責任です。NTTファシリティーズは、グループ横断で、リスクマネジメントとBCP対策の強化を続けています。

リスクマネジメント・BCPの仕組み

確実なリスクマネジメント・BCPを実現するには、まず、適切な対応を迅速に講じる体制づくりが大事であるという認識に立ち、トップ主導のリスク管理・有事対応体制を構築し、日々、「もしも」に備えています。

リスクマネジメント体制

NTTファシリティーズでは、事業活動上のリスク回避、サービス品質の維持に関する全社的施策、方針の決定、事故などの原因究明や再発防止策などの検討を行うため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を2007年4月に設置しました。迅速かつ適切なリスクマネジメントを行うことにより、事業活動における損失の未然防止・最小化を図っています。

2018年度 NTTファシリティーズグループ安全大会の開催

2018年5月9日に有楽町朝日ホールにて、2018年度NTTファシリティーズグループ安全大会が開催し、社長をはじめNTTファシリティーズグループ社員のほか、NTTグループ各社及び協力会社の方々あわせて約600名が参加しました。
2017年度に発生した事故の反省を踏まえ、全社での安全への取り組みを再度確認したほか、協力会社による事故撲滅に向けた取り組み事例を共有いただくなど、全ての関係者がゼロ災害への強い意志をこめて、安全を最優先し行動していくことを改めて誓いました。

  • 安全大会の開催

    安全統括部長のプレゼン模様

  • 安全大会の開催

    参加者全員による指差呼称

災害・防災対策と事業継続計画

NTTファシリティーズ本社では、地震や台風といった自然災害などによる、事業活動への影響を最小限に抑えるため、あらかじめ手順や情報を文書化し、緊急時の対応について備えています。
2012年10月に「災害対策マニュアル」の改訂を行うとともに、2010年11月に「事業継続計画書及びインシデントマネジメント計画書」を策定し、2014年4月には内容を見直すべく、改定を行いました。

冬期間の無線中継所を守る

NTTグループは日本列島を縦断する無線中継網を有しており、その24時間365日の維持は、社会に不可欠となった通信インフラを守る上で重要な使命となっています。日本有数の豪雪地帯を担当するNTTファシリティーズ青森支店は、1995年より冬期間に無線中継所駆けつけ訓練を毎年実施しています。山中に位置する無線中継所で電力施設が故障し、駆けつけ対応が必要になったときに備える同訓練は、雪上車操縦訓練やスノーシューを着用した歩行訓練を未除雪区間で実施するもので、雪国ならではの、「もしも」に備えた確かな対応体制の整備は勿論、支店社員の安全な作業実施訓練としても無くてはならないものとなっています。

  • 訓練の模様

    訓練の模様

  • 訓練の模様

食料など非常用物品の備蓄

NTTファシリティーズグループでは、災害復旧作業に従事する社員の食料などを各勤務場所に備蓄しています。備蓄量は、「社員総数×30%×3日間」です。さらに、災害時の帰宅困難などに備え、3日分の水、食料などを各勤務場所に備蓄しています。

設備の安定性と信頼性を確保する取り組み

信頼性の高い設備を構築し、それを有事にも安定的に運用し続けることは、お客様の安心・安全に直結する重要なサービス品質です。社会のインフラを支える事業者として、先進の技術と確かなノウハウを活用したファシリティづくりを多面的に推進しています。

大阪城公園におけるドローンを活用した画像解析システムの実証実験

2020年を前に、海外からの訪日旅行者も増加する現在、史跡や観光地といった観光・公共の場を安全かつ日常生活への影響を抑えた形で管理・保全する仕組みづくりが急がれています。
大阪城公園は、市民をはじめ、国内外からの観光客など多数(平成29年度大阪城天守閣来館者数約275 万人)の来場者が訪れています。また、公園内には歴史・文化的に高い価値を有する施設などが多数存在します。NTTファシリティーズは、そうした中で、ドローン業務に数多くの実績のあるミライト・テクノロジーズと共同で、ドローンによる西の丸庭園内の巡回点検や城郭石垣の精密撮影、天守閣周辺の3次元モデルの作成のための実証実験を2019年春より行っています。実証実験では、まずドローンによる園内の巡回点検を実施。園内の画像を2回撮影し画像差異を自動抽出することにより、巡回点検稼働の削減を図っています。また城郭石垣の精密撮影を行い、複雑な形状の石垣を3次元モデル化することで石垣の細部の状況を把握し、補修計画の基本情報としつつ災害時の状況把握や復旧計画の立案へも役立てています。これらに加えて天守閣周辺の3次元モデル作成も実施し、現状の地形や建物を立体的に把握することで、災害時の状況把握、復旧計画の立案に備えています。

ファシリティの「未来の故障」を予測〜高い分析精度を達成した「GVAモデル」

現在、ビジネスや日常生活を支えるファシリティには、多彩な電子機器が組み込まれており、それらはIoTの浸透を背景に急速にネットワーク化されつつあります。相互に連携し高度に制御された社会インフラの構築と浸透は、人類に利便性や快適性をもたらす一方で、同時に「万一」の際の経済活動への影響の甚大化、長期化リスクも内包しており、その確実な管理と保守が新たな社会課題となりつつあります。

私たちNTTファシリティーズでは、IoTとAIを組み合わせることで,装置の故障を「予見」する技術の研究開発を推進しています。故障する可能性が高い装置を見極めることができれば、具体的なデータに基づいた設備更改の提案ができます。全国で約20万という膨大な装置の遠隔監視とメンテナンスを行っている私たちは、これらの装置の稼働状況のデータをIoTにより蓄積。AIを活用した分析に挑戦しています。

AIの助言で「未来の故障」を予測するという考え方

これらの取り組みは、NTTサービスエボリューション研究所と共同で展開しており、その成果は「故障予見モデル(GVAモデル)」として実を結びつつあります。利用環境や稼働時間、外部からの負荷の発生などを変数とした同モデルは、2005年からの10年間のデータを基にした分析で98.9%という高い「正解率」を達成しました。私たちは、今後同モデルを実用化し、稼働状況に即した故障予測及び 具体的なデータを示した最適な装置更改提案を展開したいと考えています。

免震建物データセンター向けアルミ二重床『FIT Floor Lite』の販売開始

近年、通信端末の多様化や大容量高速通信化により日常的にデータを活用する機会が増えており、それらのデータを活用する上でデータセンターは重要な役割を担っています。内部のサーバ機器などは大きな地震が発生した場合でもサービス継続が求められるため、国内で新築されるデータセンターにおいては地震の揺れを抑制する免震建物(※1)が主流となっています。 これまでNTTファシリティーズは耐震建物(※2)に利用可能なアルミ製二重床FIT Floor®の提供を行っておりましたが、データセンターのトレンドにあわせて免震建物向けのアルミ二重床FIT Floor® Liteを開発し、2017年6月より販売を開始しました。免震建物については、従来のFIT Floor®で性能にあわせて調整する方法に加え、免震建物向けの二重床を選択することも可能となりました。 FIT Floor®はデータセンターに最適な架台一体型の二重床システムで、幅・奥行き方向とも様々なサイズのラックを容易に固定することができます。またアルミ製のため軽量であり、施工性と運用性に優れるという特長があります。 FIT Floor® Liteでは、これらの特長を継承しながら免震建物向けに強度・機構を見直し、さらに部材の軽量化と施工性の向上を実現しました。

  • ※1 免震建物
    地震時に免震装置が地震の揺れを吸収することで建物に地震の揺れが伝わりにくくなります。建物内部の機器について、転倒や破損などの被害を軽減することが可能です。
  • ※2 耐震建物
    地震の揺れが地面から直接伝わるため、建物が大きく揺れます。建物内部の機器についても転倒や破損などが生じる可能性があります。

「ビルマネージャ」制度の積極的な推進

近年、オフィスのIT化、ネットワーク化を背景に、情報通信ビルだけでなくオフィスビルにおいてもミッションクリティカルに対応する管理サービスの提供が期待されています。このような中、NTTファシリティーズでは、ミッションクリティカルなビル設備のリスクを常に把握し、設計・工事・保守維持管理部門を通じ確実にリスク低減の取り組みが実行されているかを常に確認する責任者として「ビルマネージャ」制度を設けています。
ビルマネージャは担当するビルごとに、個々の日常業務や設備管理業務が適切に運用されているかを確認すると同時に、システムダウンなどの有事においては適切な応急措置並びに迅速な復旧への手配を行います。
NTTファシリティーズは、ビル設備運用全般のマネジメントを担当し、有事のリスクに常に目を配るビルマネージャの育成を、顧客満足に直結する重要な経営課題と位置付け、独自の資格認定制度を設け、社員に資格取得を推進しています。2019年3月現在、1,189名がビルマネージャに認定され、うち823名がお客様ビルなど現場での業務に従事しています。

FOC(ファシリティーズオペレーションセンタ)

地震、台風・集中豪雨、落雷といった自然災害の多発や大規模停電の発生などにより、建物や設備の信頼性を確保し企業経営をサポートするオペレーションの重要性が改めて注目されています。
NTTファシリティーズは、長年にわたってNTTグループをはじめとする全国のお客様に提供してきた監視・保守サービスの高信頼化・高効率化を図るべく、建物・電力・エネルギーに関する多様なオペレーションサービスを融合し、トータルで提供する「FOC(ファシリティーズオペレーションセンタ)」を運用しています。

FOCでは単にお客様設備を監視・保守するだけでなく、お客様設備の運用全般に責任を持ち、現場から得られる監視・点検・設備データなどの情報を分析して設備マネジメントサイクルと連携した更改・改善提案につなげていくという、FM(ファシリティマネジメント)のプロフェッショナルである当社ならではの取り組みも実施しています。

緊急時やお客様設備での万が一のトラブル発生時には、FOCから連絡をうけたサービスセンタの保守スタッフが現場に急行し、迅速かつ円滑に対処します。保守スタッフによる駆け付けサービスは、現場を支える「人の力」というNTTファシリティーズの強みを活かした万全のサポート体制ということができます。

FOCの「コマンダーデスク」

FOCの「コマンダーデスク」

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