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NTTファシリティーズ

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CSR報告書 2019

研究開発体制の整備・促進

研究開発の中核拠点
新大橋ビルの成果とこれから

実証研究の場として、挑戦を続ける

NTTファシリティーズ新大橋ビル(以下、新大橋ビル)は、先進的なファシリティの可能性を検証する開発拠点として、着実に成果をあげてきました。開設6年目を迎え、その挑戦の場はさらに広がりをみせています。

新大橋ビルのミッション

新大橋ビルは、当社創立20周年記念プロジェクトとして2014年に新築した自社ビルです。オフィスのほか、小規模なデータセンターや各種実験室を備えており、研究開発部とICTシステム部が開発業務を行っています。ここで新たな技術を考案するだけでなく、実際に設置して自ら使ってみて、効果を定量化するところまで一貫して行う「実証実験型オフィス」として開設されました。当社の事業競争力の源泉となる技術、製品・サービスを継続的に創出することが期待されています。

最先端の環境配慮型オフィスビル

当社は限りあるエネルギーを効率的に無駄なく使うことを標榜していますが、新大橋ビルも最新の環境技術を盛り込んだ環境配慮型オフィスビルとなっています。構築段階において、世界標準の環境性能評価システムであるLEEDの新築ビル向け評価においてGold認証をうけています。
新大橋ビルでは、設備制御チューニングや運用ルールの工夫など、様々な省エネルギー施策を試行するとともに、実際の消費エネルギーを開設時から継続的に計測・評価しています。オフィスビル相当部分における床面積当たりの一次エネルギー消費量は開設時からの4年間、800MJ/m2前後を維持しており、2017年度は775MJ/m2でした。この値は、一般オフィスビルにおける値(1,863MJ/m2)の半分以下であり、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルとしては“ZEB Ready”に相当します。

お客様にご覧いただくことで改良のヒントを得る

新大橋ビルは、当社で開発した技術を取り入れて実証するだけでなく、実際にお客様にご覧いただくようにしています。

新大橋ビル 一次エネルギー消費量の推移(MJ/m2・年)
新大橋ビル 一次エネルギー消費量の推移

2017年度までにのべ4,600名を超えるお客様にご見学いただきました。
見学を通じてお客様に当社の製品・サービスや技術力をご理解いただくだけでなく、お客様とのコミュニケーションを通じて得られた情報は、開発の貴重なソースとなっています。

これからもイノベーション・ベースとして

新大橋ビルは開設から6年が経過し、当社の研究開発拠点としてすっかり定着しました。最近はAIやIoTといった目に見えにくい開発テーマが増えているなか、最終的に人間に作用させる部分は現場で実際に動かして、見て、感じることが大切です。
引き続き、当社の「イノベーション・ベース」として、環境にも配慮しながら、製品・サービスの創出を進めていきます。

研究開発の成果ハイライト

通信ビルのさらなる低炭素化に貢献する、
HVDC給電システム向けリチウムイオン蓄電池

データセンターや通信ビルといった大規模施設の低炭素化が急務となっていますが、給電設備のコンパクト化及びエネルギーロス改善の切り札として高電圧直流(HVDC)給電システムの採用が加速しています。そのバックアップ用の蓄電池への活用に期待されているのがリチウムイオン蓄電池です。
EVなどで幅広く活用されるリチウムイオン蓄電池は、従来のシール鉛蓄電池に比べ小形・軽量であり、設置スペースの柔軟な運用が期待できます。NTTファシリティーズでは2006年よりリチウムイオン蓄電池の研究開発を続けてきました。その成果を活かし開発したHVDC給電システム向けリチウムイオン蓄電池は、NTTの通信ビルで要求される信頼性、耐震性、監視計測機能などを備えており、2018年度からは通信ビルへの導入が始まっています。

  • 耐震試験の様子

    耐震試験の様子

  • 通信ビル向けHVDC給電用リチウムイオン蓄電池

    通信ビル向けHVDC給電用リチウムイオン蓄電池

オフィスの快適性と環境性能の向上に貢献する
「SNSチャットボット」による会話型設備制御システム

照明や空調などのきめ細かい制御は、施設利用者の快適性向上は勿論、施設の省エネルギーにも貢献します。このような視点から開発されたのが「SNSチャットボット」による会話型設備制御システムです。
同システムはスマートフォンにインストールされた汎用チャット用アプリケーションを通じ、情報伝達サーバを介して施設のBEMS及び設備機器を連携させるものです。同システムの導入により、利用者の希望にきめ細かく沿った各種機器の制御を提供できる一方、BEMSとの連携により制御範囲が制限できるため、快適性と省エネルギー性の両立が可能です。
現在は新大橋ビルでのプロトタイプの実証研究を実施し、サービスの提供開始へと精度の向上を続けています。

通信ビル向けHVDC給電用リチウムイオン蓄電池

「SNSチャットボット」操作画面

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