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NTTファシリティーズ

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CSR報告書 2017 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

リスクマネジメント・BCP対策の強化

自然災害をはじめとするさまざまなリスクに備え、また、有事にも揺るがずサービスを提供し続けることは、社会に対する基本的な責任です。NTTファシリティーズは、グループ横断で、リスクマネジメントとBCP対策の強化を続けています。

リスクマネジメント・BCPの仕組み

確実なリスクマネジメント・BCPを実現するには、まず、適切な対応を迅速に講じる体制づくりが大事であるという認識に立ち、トップ主導のリスク管理・有事対応体制を構築し、日々、「もしも」に備えています。

リスクマネジメント体制

NTTファシリティーズでは、事業活動上のリスク回避、サービス品質の維持に関する全社的施策、方針の決定、事故等の原因究明や再発防止策等の検討を行うため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を2007年4月に設置しました。迅速かつ適切なリスクマネジメントを行うことにより、事業活動における損失の未然防止・最小化を図っています。

災害・防災対策と事業継続計画

NTTファシリティーズ本社では、地震や台風といった自然災害などによる、事業活動への影響を最小限に抑えるため、あらかじめ手順や情報を文書化し、緊急時の対応について備えています。
2012年10月に「災害対策マニュアル」の改訂を行うとともに、2010年11月に「事業継続計画書およびインシデントマネジメント計画書」を策定し、2014年4月には内容を見直すべく、改定を行いました。

2016年度NTTファシリティーズ本社防災演習の実施

NTTファシリティーズでは、毎年総合防災演習を実施し、有事に備えています。2016年度は2017年2月22日に実施しました。今年度の演習は、田町グランパークタワーの「本社BCP対策工事」が完了したことを想定。休日昼間帯に最大震度7の首都直下地震が発生した際に、参集可能な限定的災害対策本部員のみで初動対応を実施するという設定とし、全国で頻発している地震など突発的な災害に備えた、より実践的な演習を行いました。

災害時に社員が適切な行動を迅速に行えるよう、訓練を定期的に行い、課題を整理し、心構えを醸成し続けています。

  • 防災演習の様子 画像01
  • 防災演習の様子 画像02

本社総合防災訓練の様子

大規模災害対策演習の政府備蓄燃料緊急要請訓練の実施

2017年3月13日、14日の2日間にかけて、大規模災害が発生した際に発動される「災害時石油供給連携計画」に基づく政府を通じた燃料の緊急供給要請訓練をNTTグループ合同で実施しました。
本訓練は、政府への燃料緊急要請・供給を円滑かつ確実に実施するため、2016年3月に石油連盟とNTTグループ間で締結された「情報共有に関する覚書」に基づいて整備・共有した地下タンク等の施設情報を用いて、首都直下地震発生を想定した政府への燃料緊急要請を発災初日に実施し、政府及び石油連盟が配送調整した石油元売会社の大型ローリーによるNTTビルへの燃料配送訓練を2日目に実施しました。

※「災害時石油供給連携計画」
大規模災害が発生し、特定の地域への石油の供給が不足する事態において、当該地域で石油精製業者等が相互に連携し石油の安定的な供給の確保を図るためのものであり、経済産業大臣による勧告に基づき実施されます。

大規模災害対策演習の様子

大規模災害対策演習の様子

食料など非常用物品の備蓄

NTTファシリティーズグループでは、災害復旧作業に従事する社員の食料などを各勤務場所に備蓄しています。備蓄量は、「社員総数×30%×3日間」です。さらに、災害時の帰宅困難などに備え、3日分の水、食料などを各勤務場所に備蓄しています。

設備の安定性と信頼性を確保する取り組み

信頼性の高い設備を構築し、それを有事にも安定的に運用し続けることは、お客さまの安心・安全に直結する重要なサービス品質です。社会のインフラを支える事業者として、先進の技術と確かなノウハウを活用したファシリティづくりを多面的に推進しています。

進化を続ける「揺れモニ」〜「連続地震安全度予測機能」をシステムに追加

地震の後、建物の継続使用の可否を含む安全性検証を速やかに行うことは、安全・安心の観点からも、また顧客満足の観点からも、極めて重要です。NTTファシリティーズが開発した建物安全度判定サポートシステム「揺れモニ」では、数多くの建物設計で培ったノウハウと震災後の復旧の経験をもとに、独自の3次元振動試験システム「DUAL FORCE」を活用し、高精度な観測・分析システムを構築しています。この結果、中高層建物について信頼性の高い安全度を即座に判定し被害の度合いを「見える化」することが可能となり、入居者に対し安全性の速やかな情報提供を実現しています。
近年、社会の皆様の防災意識の浸透を背景に、揺れモニへ寄せられる期待も高まりを見せています。これをうけNTTファシリティーズでは、その機能拡充に継続的に取り組んでいます。具体的には、緊急地震速報を自動表示し地震到達前の対応を促す「緊急地震速報機能」や、地震直後の複数ビルの建物安全度を一覧で表示する「複数ビル情報表示機能」などを追加しました。また、2016年7月には、従来は地震直後に判断することが難しかった低層建物の安全度を判定するシステムを開発し販売を開始しました。これにより庁舎や学校をはじめとする公共施設やオフィスビル、工場などの幅広い低層建物での活用が可能となりました。
2017年度の進化として、「連続地震安全度予測機能」の追加があります。2016年4月に発生した熊本地震では、震度7の揺れが2度発生するなど、連続的な地震により被害が拡大しました。これを受け、気象庁は地震発生直後の注意喚起を「1週間程度、最初の大きな地震より一回り小さい余震に注意」から「最初の大地震と同程度の地震への注意」に変更しました。「揺れモニ」もこれを踏まえ、前回と同程度の地震が連続して発生した際の安全度を予測する「連続地震安全度予測機能」を新たに追加し、2016年11月より提供を開始しました。新機能では、連続する地震活動に対して建物が倒壊することなく継続使用が可能か、同程度の地震が連続して発生した場合の安全度を予測し、システム画面に表示します。これにより建物管理者は、建物利用者の適切な避難誘導や、避難所としての利用可否の判断、生産設備の計画的な稼働停止などの判断を迅速に行え、被害の拡大を未然に防ぐことが可能となります。現在はオフィスビルを中心に導入が進む揺れモニですが、NTTファシリティーズは今後、災害時の継続稼働が求められる自治体施設や病院、避難所としての機能が求められる学校施設や体育施設などへも導入提案を推進し、社会のレジリエント化に貢献したいと考えています。

連続地震安全度予測機能を追加した『揺れモニ』
連続地震安全度予測機能を追加した『揺れモニ』

免震建物データセンター向けアルミ二重床『FIT Floor Lite』の販売開始

近年、通信端末の多様化や大容量高速通信化により日常的にデータを活用する機会が増えており、それらのデータを活用する上でデータセンターは重要な役割を担っています。内部のサーバー機器等は大きな地震が発生した場合でもサービス継続が求められるため、国内で新築されるデータセンターにおいては地震の揺れを抑制する免震建物(※1)が主流となっています。 これまでNTTファシリティーズは耐震建物(※2)に利用可能なアルミ製二重床FIT Floor®の提供を行っておりましたが、データセンターのトレンドにあわせて免震建物向けのアルミ二重床FIT Floor® Liteを開発し、2017年6月より販売を開始しました。免震建物については、従来のFIT Floor®で性能にあわせて調整する方法に加え、免震建物向けの二重床を選択することも可能となりました。 FIT Floor®はデータセンターに最適な架台一体型の二重床システムで、幅・奥行き方向とも様々なサイズのラックを容易に固定することができます。またアルミ製のため軽量であり、施工性と運用性に優れるという特長があります。 FIT Floor® Liteでは、これらの特長を継承しながら免震建物向けに強度・機構を見直し、さらに部材の軽量化と施工性の向上を実現しました。

  • ※1 免震建物
    地震時に免震装置が地震の揺れを吸収することで建物に地震の揺れが伝わりにくくなります。建物内部の機器について、転倒や破損などの被害を軽減することが可能です。
  • ※2 耐震建物
    地震の揺れが地面から直接伝わるため、建物が大きく揺れます。建物内部の機器についても転倒や破損などが生じる可能性があります。

「ビルマネージャ」制度の積極的な推進

近年、オフィスのIT化、ネットワーク化を背景に、情報通信ビルだけでなくオフィスビルにおいてもミッションクリティカルに対応する管理サービスの提供が期待されています。このような中、NTTファシリティーズでは、ミッションクリティカルなビル設備のリスクを常に把握し、設計・工事・保守維持管理部門を通じ確実にリスク低減の取り組みが実行されているかを常に確認する責任者として「ビルマネージャ」制度を設けています。
ビルマネージャは担当するビルごとに、個々の日常業務や設備管理業務が適切に運用されているかを確認すると同時に、システムダウン等の有事においては適切な応急措置ならびに迅速な復旧への手配を行います。
NTTファシリティーズは、ビル設備運用全般のマネジメントを担当し、有事のリスクに常に目を配るビルマネージャの育成を、顧客満足に直結する重要な経営課題と位置付け、独自の資格認定制度を設け、社員に資格取得を推進しています。2017年3月現在、1,062名がビルマネージャに認定されています。

FOC(ファシリティーズオペレーションセンタ)

地震、台風・集中豪雨、落雷といった自然災害の多発や大規模停電の発生などにより、建物や設備の信頼性を確保し企業経営をサポートするオペレーションの重要性が改めて注目されています。
NTTファシリティーズは、長年にわたってNTTグループをはじめとする全国のお客さまに提供してきた監視・保守サービスの高信頼化・高効率化を図るべく、建物・電力・エネルギーに関する多様なオペレーションサービスを融合し、トータルで提供する「FOC(ファシリティーズオペレーションセンタ)」を運用しています。

FOCでは単にお客さま設備を監視・保守するだけでなく、お客さま設備の運用全般に責任を持ち、現場から得られる監視・点検・設備データなどの情報を分析して設備マネジメントサイクルと連携した更改・改善提案につなげていくという、FM(ファシリティマネジメント)のプロフェッショナルである当社ならではの取り組みも実施しています。

緊急時やお客さま設備での万が一のトラブル発生時には、FOCから連絡を受けたサービスセンタの保守スタッフが現場に急行し、迅速かつ円滑に対処します。保守スタッフによる駆け付けサービスは、現場を支える「人の力」というNTTファシリティーズの強みを活かした万全のサポート体制と言うことができます。

FOCの「コマンダーデスク」

FOCの「コマンダーデスク」

Power Meister Car (移動式技術支援車)

NTTファシリティーズでは、2012年3月に開発・導入した「Power Meister Car」により、保全業務における作業手順に準じた事前の実機動作確認や故障時動作の追体験・実機解析などを、全国どこでも自由に実施できるようになりました。
本車両は、車内に発電装置を搭載し各装置へ給電することにより、車両単体での実機体験を可能としたもので、本車両を1つのビルに模して監視環境を構築しており、操作と連動した警報動作確認も可能です。
各拠点を回り、実機操作による習熟訓練とともに作業上の危険ポイント確認など、安心安全な保守サービスの提供に向けた実践的な演習を実施しています。

  • Power Meister Carによる作業の様子 画像01

    Power Meister Carによる作業の様子

  • Power Meister Carによる作業の様子 画像02
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