データセンターのグリーン化に、
挑戦し続ける。
世界基準での製品・サービス開発
日本国内でニーズが高まる、大規模データセンターに適した冷却設備
日本では、大規模クラウド事業者のデータセンター需要が2017年〜2022年で年間平均成長率20%ともいわれる程、急成長しています。この結果、これまでの日本市場の要求とは異なるグローバル仕様の超大型データセンターへと、設備仕様の対応が急がれています。施設の屋上などに設置される空調設備「チラー」はその代表といえます。具体的には、従来の空冷チラーの多くは事務所や商業施設向けのもののため、冷水の送水温度が7℃から15℃程度で効率よく運転されます。一方で大規模データセンターが最も効率的に稼働する送水温度は20℃であり、大きな乖離がありました。
世界トップメーカーのノウハウを日本へ
NTTファシリティーズは、オイルフリーチラー世界トップシェアのカナダSMARDT社と事業提携し、同社の大規模データセンター向け製品「SMARDT TA Class」の日本国内における独占販売店契約を締結しました。まずは首都圏及び大阪の超大型データセンターを皮切りに、2019年5月8日より同製品の販売及び保守サービスの提供を開始し、データセンター事業者の低炭素化ひいてはランニングコスト低減に貢献します。なお同ラインアップは当社のデータセンターサービス「Fデータセンター」設備にも積極的な導入を開始しており、サーバルームの空調機器との組み合わせなどによりさらなる低炭素化を検証する予定です。
大規模データセンター向け、空冷ターボチラー「SMARDT TA Class」
よりグリーンなデータセンターを普及させる
大規模データセンターの増加により、今までと異なるトレンドが広がりつつあることを感じており、ITインフラが支えるIoT化、クラウドサービスといった産業の成長が、私たちの生活をより便利に高度にしていくことを予感しています。
一方、投入資源に限りがある中で成長を維持するためには、エネルギー効率の良い施設の設計、構築、普及にも努めていかなければなりません。
そのためには、世界に目を向け新しい技術や設計思想に積極的に挑戦し続ける必要があります。
NTTファシリティーズは培ってきた経験やエンジニア力を通して市場の機微をとらえ、最適なソリューションを提供します。
NTTファシリティーズ ソリューション本部
データセンター部 ソリューション開発担当
石野 敬太郎
脱炭素社会の実現を、
さらに加速する
先進的な研究への参画
再生可能エネルギーの利用促進に向けた
バーチャルパワープラントの可能性
地球温暖化対策として、世界各地では再生可能エネルギーの利用促進が図られています。しかし太陽光・風力・水力などに象徴される再生可能エネルギーは性格上、出力の安定性に課題があります。この克服に向け蓄電技術の開発と並び重要となるのが、各地に分散するこれらエネルギーリソースを統合制御し電力の有効活用を実現することで発電所と同等の機能を提供する「バーチャルパワープラント(VPP)」であると、NTTファシリティーズは考えています。
官民連携事業に参画し、エネルギーマネジメント技術を高める
NTTファシリティーズは、2016年より経済産業省が実施している「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業(VPP実証)」に参画しています。
具体的には、需要家と系統運用者をつなぐ「リソースアグリゲーター」としてVPPシステムを構築し、需要家の負荷を制御するディマンドリスポンス(DR)や、蓄電池を含むエネルギーリソースの細かい制御に向けた動作検証を担当しています。これらの取り組みにはNTTファシリティーズがSmart & Safetyのスローガンのもと、長年にわたり取り組んできた事業ノウハウが大いに発揮されており、同事業への参画を通じ日本の脱炭素化を推進するエネルギーマネジメント技術の蓄積へと意欲的に挑戦しています。
バーチャルパワープラント(VPP)を活用したディマンドリスポンス(DR)制御の仕組み
※ベースライン-電力使用量
エネルギーマネジメントの高度化による
脱炭素社会の実現
VPP実証への取り組みを通じ、VPPは再生可能エネルギーの利用範囲の拡大や、需給バランスの安定化に貢献可能な技術となる手応えを感じています。また、ご協力いただいている需要家の皆様にも大変興味を持っていただいています。
社会の地球温暖化対策への取り組みが加速していく中、VPPへの期待もさらに高まっていくと考えられます。今後もリソースアグリゲーターとして、需要家の皆様と共に、VPPによる脱炭素社会の実現をめざします。
NTTファシリティーズ ソリューション本部
スマートエネルギー部 ソリューション開発担当
土橋 英晃