日常にあふれる様々な電気機器がインターネットでつながり、効率的に連携・制御しあう、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化 )の浸透が世界各地で進んでいます。その潮流は世界の仕組みを変える「メガトレンド」の1つと目されるまでになりました。総務省の調査では、電子機器がやりとりするデジタルデータの国内流通量は、2005年~2013年の間で8倍以上に急増していると推計されています。
新たなネットワーク社会の到来を視野に、NTTファシリティーズも、長らく培ってきたIT技術とファシリティ管理技術とを活用し、設備とIoTの融合に取り組んでいます。その成果は、ファシリティのスマート化として着実に実をむすびつつあります。
国内流通量の推移
農業のスマート化を通じて、より効率的で柔軟な生産方法を模索する「次世代農業プロジェクト」が国内外で進んでいますが、NTTファシリティーズは、農業用施設のスマート化の切り口で、これらに積極的に関与しています。具体的には、クラウド技術を活用した農業支援システム「agRemoni(アグリモニ)」を基点に、その拡充を進めています。
同システムはハウスなどの環境状況や作物の育成状況のモニタリング、農作業のスケジュール管理や異常検知といった作物育成に関する各種データを統合的に管理し、最適な栽培環境の構築を支援するものです。現在は、農林水産省の委託事業として、同システムに遠隔制御の仕組みと自営広域無線(920MHz帯)を実装する実証研究を進めています。
これにより、「遠隔地での情報管理」に加え「遠隔地からの施設制御」も一歩踏み込んで行う事が可能となり、より広範囲な農業施設での活用や、被災地のような「通い農業」を余儀なくされている地域での活用も期待できます。実証実験では年間収穫量も35%増加するという成果を収めています。
将来的には、これら情報をビッグデータ解析することで、栽培目的に対応した最適環境制御や省エネなどに寄与する、よりきめ細かい次世代農業システムの実現が期待されます。