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NTTファシリティーズ

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CSR報告書 2015 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

安全でスマートな社会づくりへの貢献

世界規模で社会のIT化が進む現在、その波はファシリティづくりにも大きく影響を及ぼしています。特に、NTTファシリティーズでは、安心・安全な日常生活に寄与することと、自然エネルギーの活用も含めた低炭素社会の実現に寄与することが、次世代のファシリティのキーテーマとなると見据え、研究を進めてきました。その成果は、各地で進むスマートコミュニティの実証プロジェクトにおいて、さまざまな形で結実しています。

新たな推進組織の結成

NTTファシリティーズグループは、社会の変化を見据え、新たな価値を提供し続けるビジネスモデルの模索を推進しています。特に現在は、都市部への人口集中、地方産業の停滞、若者の雇用促進といった「地方の活性化」課題に着目しています。これら対して日本政府が様々な施策を模索するなか、NTTファシリティーズグループも官民連携で実証型プロジェクトなどの先進的な取り組みを筆頭に、多様な施策に取り組んでゆく方針です。これに即し、2014年4月には、「スマートビジネス本部」および「地方創生プロジェクト本部(PT)」を設置しました。
新組織では、各地で進むスマートコミュニティ構想に関するモデル事業への積極参画などを通じ、BEMSやCEMSを通じたファシリティのスマート化は勿論、メガソーラーをはじめとする自然エネルギーの活用やエネルギーの地産地消システムの構築など、先進のスマートコミュニティづくりの提案を加速します。また地域創生PTでは、被災地復興や農業ビジネスといった特定の切り口にそったプロジェクトチームを結成し、上記スマートビジネス本部と連携しつつ、エネルギーマネジメントとファシリティマネジメントをキーワードにした地域経済活性化に向けた提案を展開します。いずれも、かねてよりNTTファシリティーズグループが取り組んできた「Smart&Safetyな街づくり」のノウハウが活きるビジネスモデルであり、これら新組織の活動を通じ、社会と事業の共栄関係がより強固になることを期待しています。

大橋事例 ~次世代の「働く場所」の検証と創造~

新大橋ビルで続く、多面的な実証実験

NTTファシリティーズ新大橋ビルは、研究開発オフィスと試験検証施設を統合した、「次の20年を見すえた実証実験型オフィス」です。2014年オープンした同ビルにおいて、NTTファシリティーズは、自らのワークプレイスを実験対象として、環境面から安全面に至るまで、多面的に次世代のオフィスファシリティの在り方を検証しています。

「次世代の『働く場所』」を定義する

生産性を高めるための設備の工夫は、働く場所づくりにおける不断の課題といえます。特に「効率的でセキュアな職場づくり」「快適で機能的な職場づくり」への社会の注目は高く、現在、新大橋ビルでは、これらの検証が大きなテーマとなっています。

「効率的でセキュアな職場づくり」に貢献するBIS

BIS(建物情報連携システム)とは、建物内のさまざまなシステムを連携させ、また、建物内で働く人の位置情報と連動させることで、高度なセキュリティ管理やきめ細かい自動設備制御、効率的なエネルギー管理などを実現するシステムです。
照明や空調の調整から無線ネットワークやシンクライアント端末の管理などをBISが一元管理することで、建物内で働く人たちには、煩雑な手続きや機械操作を意識せずに、効率的でセキュアな職場が提供されます。そのような次世代のワークプレイスづくりをめざし、新大橋ビルでの実証実験が続いています。

BISの活用事例
BISの活用事例説明図

「快適で機能的な職場づくり」に貢献するLive-Link Designオフィス

Live-Link Designオフィスとは、NTTファシリティーズが提唱する、高い知的生産性と省エネルギー性などを実現し、経営資源としてのオフィスを最適化するためのオフィス設計・構築のコンセプトです。
具体的には、オフィスに必要な機能を7つのシーンと5つの要素に切り分けて課題を整頓。これを業態や業務内容など顧客の利用実態や改善ニーズに即して検証することで、最適なレイアウトや機器構成、改善提案を実施しています。新大橋ビルではこれをBISなどと連携させることで、さらなる進化に挑戦しています。

Live-Link Desigh オフィス
Live-Link Desigh オフィス 説明図

Live-Link Design® オフィス(商品・サービス紹介)

スマートコミュニティがめざす未来

NTTファシリティーズは日本の通信を支えてきたICT・エネルギー・建築の技術を組み合わせ、「Smart & Safety」をテーマに省エネルギーで安全な街づくりに貢献しています。

Smartな街づくり

東日本大震災を境にエネルギーを浪費する時代は終わりを告げました。しかし、空調や照明をとめるなど「我慢」の省エネは社会生活に大きな負担となります。環境に負担をかけずに生活環境の質を高めたい──。ICTを活用して「限りあるエネルギーや資源を賢く効率的に使用する」そんな社会の望みに応えるのがNTTファシリティーズのSmartな街づくりです。

Safetyな街づくり

大規模な災害でも事業を継続することができる能力、BCP(事業継続計画)が注目を集めています。建物が堅牢であることはもちろんですが、電力などのインフラ機能を継続して使用できること、社員が適切なオペレーションに基づき行動できることも重要です。NTTファシリティーズは、災害時でも街が機能を継続するSafetyな街づくりを実現できるよう活動を続けています。

スマートコミュニティ実現の3つのステップ
スマートコミュニティ実現の3つのステップ
*1 BEMS:Building and Energy Management System
ビルなどのエネルギー設備全体の省エネ監視・省エネ制御を自動化・一元化し、経済的で安全なビル運用を支援するシステム。
*2 CEMS:Community Energy Management System
地域全体で使うエネルギーについて、使用量の可視化やデマンドレスポンス(需要応答)、節電に向けた制御、発電・蓄電などを情報システムで管理する仕組み。

Smart & Safetyによるスマートコミュニティの実現

Smart & Safetyな街づくりを続けることでいわゆるスマートコミュニティを実現できます。スマートコミュニティの実現までには、ビル・マンション単体(ステップ1)、スマート群管理(ステップ2)、スマートコミュニティ(ステップ3)の3つのステップがあると、NTTファシリティーズは考えています。

ステップ1では、建物とそこで活動する人のSmart & Safetyを実現します。省エネルギーで耐震性の高いビル建築をベースに、その建物で活動する人が自然と節電を行い、非常時にもエネルギーの止まらないソリューションを提供します。

ステップ2では、企業・学校などが所有する複数のビルのSmart & Safetyを実現します。企業の例で言うと、クラウド技術を活用し、管理者がエネルギーを一元的に管理することで総合的な省エネを図る環境を提供するとともに、社員に対して自社のエネルギー情報を配信し啓発を促します。また、デマンドレスポンスに対応してネガワット(節電)を生むソリューションも実現しています。

ステップ3では、太陽光発電などの自然エネルギーを有効に活用してポジワット(発電)を発生させ、非常時にはこれら自然エネルギーを自立的に使用しBCPの確保も行います。コミュニティ内では廃熱なども有効に活用し、電力だけではなくエネルギーをトータルにマネジメントするSmart & Safetyな街を実現します。

Smart & Safety ステップ1 ビル・マンション単体ビル・マンションのスマート化

スマート化の3つの役割

ビルのスマート化のメリットは、(1)エネルギーコストの抑制、(2)既存ビルの資産価値向上、(3)ライフサイクルコストの最小化、の3つにあります。

(1)エネルギーコストを抑える観点では、まず電気、熱、水の「見える化」を図ります。それらの使用量を計測するセンサーを結ぶ通信システムは、無線ネットワークを採用することで、工事費を半分程度に抑えることが可能です。また、「見える化」によって省エネ行動を促すだけではなく、電力使用量が目標値に近付くと、優先順位の低い設備から自動制御することも可能で、その場合は生産性や快適性を落とさないように優先順位を設定します。

(2)既存ビルの資産価値向上という観点からは、分散電源を活用した事業継続の仕組みを提供します。これは、太陽光発電などの分散電源と蓄電池を需給管理装置に組み合わせ、商用電源を含めた複数の電力供給源を一括制御するものです。停電時は分散電源や蓄電池から無瞬断に電力を供給します。

(3)ライフサイクルコストの最小化は、ICTによる高機能ビルマネジメントによって実現します。設備の高度化にともなってビルの維持管理が重要性を増していくなかで、過去100年以上にわたるビル管理の経験で築き上げてきたノウハウやICTを活用し、省エネ・省CO2や資産価値の向上に一定の効果を上げながら運用コストの最小化を達成します。

ビルのスマー卜化サービスメニュー

東日本大震災を契機に、エネルギーのあり方が見直されてきています。電力不足や電気料金の高騰が現実のものとなり、特にビルオーナーにとって建物の「環境との調和」「長寿命化」「資産価値の向上」は早急に取り組まなければならない重要な経営課題となっています。
こうした状況を受け、NTTファシリティーズは、「ICT×エネルギー×建築」の融合技術とファシリティマネジメント(FM)のノウハウを駆使して、3つの視点から課題を解決するためのサービスメニューを用意しました。

サービスメニュー

NTTファシリティーズのスマートビル・ソリューション

再生可能エネルギーと難燃性リチウムイオン蓄電池などの活躍で、「平常時のピークカット」と「災害時の自立電源」の確保が可能

*1 ライフサイクルコスト
建築物を企画・設計・建築し、その建物を維持管理して、最後に解体・廃棄するまでの、建物の全生涯に要する費用の総額。ここでは主に建築物の維持管理費を対象としています。

ビルのスマート化(商品・サービス紹介)

Smart & Safety ステップ2 スマート群管理「賢い節電」によるネガワットアグリゲーション

「賢い節電」=「エネルギー支援サービス」の提供価値

NTTファシリティーズでは、マンション向けスマートサービスとして「マンション電力提供サービス」を提供しています。これは、マンション全体で電力を一括受電することにより、マンションの住民向けに、電力会社より約5%安い電力を供給するもので、「見える化」「時間帯別料金」「節電ポイント」の各サービスを含む「EnneVision」*1(エネビジョン)も無料で利用できます。新築マンションの場合、EnneVisionの有効活用で、平均 15%程度の電気代削減の実績があります。
「見える化」は、リアルタイムの消費電力や換算CO2排出量、電気料金などをわかりやすく表示するとともに、サービス利用者間の電気使用量ランキングなど、省エネ活動を促す情報を提供しています。
「時間帯別料金」は、時間帯によって電気代単価に差を設け、日中の電力使用量を抑え夜間使用にシフトすると通常の電気料金よりも安く利用することができます。
「節電ポイント」は、電力逼迫時の使用抑制要請に応じて電力使用量を抑えたお客さまに、電気代の支払いに利用できるポイント(1kWh当たり20円)を付与するものです。
2013年7月からは、「節電ポイント」サービスにおいて、顧客に節電を依頼する際、おトクな「節電お出かけ情報」の配信を試行しています。節電が必要となるタイミングに限定利用できるクーポンや、地域のおトクな情報などをお客さまの節電支援を目的に配信するもので、お客さまは自宅の電気を消して外出することで、楽しく快適に街ぐるみの節電、クールシェア*2にご参加いただくことができます。

EnneVisionを中心とした節電サービス

EnneVisionを中心とした節電サービス 説明図

*1 EnneVision(エネビジョン)
株式会社NTTファシリティーズおよび株式会社エネットの登録商標。
*2 クールシェア
環境省が進めている、ひとり一台のエアコンをやめ、みんなで涼しい場所に集まり楽しく涼しさをシェアすることで、家庭部門でのエネルギー消費を減らそうという取り組み。

Smart & Safety(商品・サービス紹介)

「ネガワットアグリゲーション」と「RemoniスマートWatcher2.0」による節電行動喚起

NTTファシリティーズは、ネガワットアグリゲーションによって電力の需給バランスを調整したり、ビルの使用電力を入居者に「見せる化」する「RemoniスマートWatcher2.0」の提供を通して、エネルギーの複数ビル群管理に向けた取り組みを推進しています。
「ネガワットアグリゲーション」は、電力会社系統全体の電力需要が高いときに、当社がお客さまの節電を支援することでネガワット(=節電)を創出し、そのネガワットを集め(=アグリゲーション)、電力会社に提供する一方、お客さまへはネガワット量に応じた協力金を還元するサービスです。当社はクラウド型BEMSなどのエネルギーマネジメントシステムを活用して、お客さま施設の電力利用状況を把握しながら最大限の節電を行ったり、「RemoniスマートWatcher2.0」を用いて節電が必要なタイミングを入居者にお知らせしたりしています。
「RemoniスマートWatcher2.0」は、Webブラウザのツールバー上で、施設の使用電力や目標値を、ビル入居者や訪問者に対してわかりやすく「見せる化」するアプリケーションソフトです。電力会社からの節電要請があった場合の通知機能を搭載することで、施設の利用者全員に主体的な節電行動を促し、月々の使用電力の低減に貢献します。

ネガワットアグリゲーション

ネガワットアグリゲーション

RemoniスマートWatcher2.0

RemoniスマートWatcher2.0

Smart & Safety ステップ3 スマートコミュニティ「点」から「面」へのモデルケース報告

仙台市田子西エコモデルタウン

NTTファシリティーズは、宮城県仙台市で推進されている「田子西エコモデルタウンプロジェクト」において、NTT東日本および当該土地区画整理事業の業務代表者である国際航業(株)とともに「一般社団法人仙台グリーン・コミュニティ推進協議会」の会員となり、復興公営住宅および戸建住宅を対象としたエネルギーマネジメントシステム*1の事業運営を2014年4月から開始しました。
復興公営住宅ではエネルギー供給(電気・低温温水)とともに、太陽光発電やガス・コージェネレーションシステム*2、蓄電池などの最適制御を行います。
これらの実験で得られる知見やノウハウを、実際のサービスに活用していくことで、スマートコミュニティの実現に貢献していきます。

田子西エコモデルタウンの概要
仙台市田子西エコモデルタウン
*1 エネルギーマネジメントシステム
効率的なエネルギー管理(省エネ・節電、計画的なエネルギー配分)を行うシステム。
*2 ガスコージェネレーションシステム(CGS)
ガスを使って電気と熱を取り出し、利用するシステム。

品川シーズンテラス

「品川シーズンテラス」は、環境配慮型のオフィスビルと広大な緑地が生み出す、新しい環境共生プロジェクトです。本プロジェクトは、東京都下水道局の芝浦水再生センター敷地内の一部を借り受け、都の地下の下水道施設などの上部に、合築の手法で業務・商業系ビルを建設する公有地利活用プロジェクトです。オフィスビルとつながる広大な緑地を、四季の移ろい豊かな表情や水辺を感じられる憩いの空間として、レクリエーション活動など多目的に利用できる人々の交流の場を創造します。
品川シーズンテラスの建物は、自然エネルギー(大風量外気冷房システム、太陽光発電、太陽光採光システムなど)の活用で、環境負荷軽減と快適な室内環境を両立しています。タワー中央に設けられたスカイボイドからは自然光とさわやかな風が取り込まれ、明るい共用部と快適な室内環境を生み出すことができます。また、涼しい外気を取り込むナイトパージや、下水熱エネルギーを利用した効率的な空調設備により、快適性と省エネルギー性能の両立を実現し、CO2を効果的に削減します。
建物・エネルギー管理システム(BEMS)の活用により、CO2排出量やエネルギー使用量などを管理できる仕組みを整え、国内最高水準の環境性能を継続的に維持します。このような取り組みにより、建物の環境性能評価であるCASBEEの最高水準(Sクラス)の取得、および東京都の建築物環境計画書制度の最高水準(段階3)の達成を予定しています。

品川シーズンテラス 完成予想パース

品川シーズンテラス

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