陸前高田市総合交流センター・陸前高田市B&G海洋センター・陸前高田市B&G海洋センターは、震災復興後の地域住民の「交流」と「スポーツ」の拠点となる施設として計画されました。
　本施設は主に「多目的ホール」、「アリーナ」、「温水プール」の3つで構成されています。各機能は公式競技大会の開催が可能な仕様とした上で、高齢者や障がい者を含め、誰もが日常的に使いやすい施設としています。　またエントランスホールを中心にそれぞれの機能が垣間見えるゾーニングとすることで、利用者が建物全体の構成について、直感的にわかるように配慮しました。さらにそれぞれの機能をつなぐ共用部は、ハイサイドライトや吹き抜けによる十分な自然採光で満たされている上、回遊させても死角が生じないデザインとし、どこにいても気配の感じられる安心・安全な施設としました。
　施設の外観は見晴らしのよい高台の地形に合わせ、3枚の大屋根による階段状のボリューム構成とすることで、遠景に控える自然に溶け込むデザインとしました。また敷地が高い北側の多目的広場から、外部歩廊を南側施設正面まで連続させることで、あらゆる場所から段差のないアプローチを可能とするだけでなく、規模の異なる複数の施設にまとまりを与えています。

月刊体育施設　2018年7月号