本計画は東京メトロ副都心線の開通により生まれた駅前の賑わいを抜け、幹線道路から一歩入った静かな環境に立地します。独身寮跡地に建つ賃貸マンションで、シングルタイプを中心に計129戸を有しています。制約の多い都心の住宅密集地に計画するに当たり、建物を徹底的にコンパクトにすることで豊かな空地が生まれ、周辺環境との調和を図りました。シンプルなデザイン、耐久性・メンテナンス性の高い仕上材の採用で長寿命な建物としました。道路と高低差がある敷地特性を活かし、前面道路から直接アクセスできる地下に共用部、地上に住戸を設け、独立性を確保しました。シングルとファミリー住戸の明確なゾーニングが特徴である。セキュリティーやプライバシーを守りながら、洗練されたゆとりある共用部の創造、建物とランドスケープの融合を目指しました。

ランドスケープデザインNo.90（2013年4月23日発売）