本施設は、三重県東紀州地域の活性化を目的とする補助金事業、紀南中核的交流施設整備事業として計画されました。体験交流、地域産品加工・販売、飲食、宿泊をコア機能とし、紀南地域全体の集客力を高め、魅力を引き出すことが求められました。
　熊野倶楽部は、熊野にふさわしい「旧暦のさと」をコンセプトとしています。建物は低層の切妻屋根で統一し、周囲の山々、自然と重なり合った、懐かしく美しい風景を創り出しています。分棟配置することで、周囲の山並みの借景、中庭など、自然や建物の風景を発見しながら建物内外を「歩く」ことを楽しむ計画としました。地元材である熊野杉等の素材を一貫して使用し、ここちよいスケール感の施設としています。古の熊野を感じ、地域の人々とともに新しい熊野を発見する結節点として、熊野の新たな魅力を感じる場を提供しています。