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NTTファシリティーズ

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CSR報告書 2015 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

製品・サービスを通じた貢献

低炭素で省資源な社会を実現するため、企業には、自社の環境負荷の削減に加えて、環境性能に優れた製品・サービスを顧客に提供することも期待されています。NTTファシリティーズグループは、自社のグリーン化に加えて製品・サービスのグリーン化を積極的に推進し、環境にやさしい社会づくりへの幅広い貢献の在り方を模索しています。

太陽光による発電事業の積極展開

NTTグループには、50年間に及ぶ太陽光発電に関する取り組みの歴史があります。NTTファシリティーズはそれら世界有数の知見とノウハウを受け継ぎ、累計で600MW以上の発電施設を構築してきました。現在は、メガソーラーによる発電事業も積極的に展開しています。発電事業を通じて地球環境にやさしい再生可能エネルギーで地域に貢献すると同時に、メガソーラーに関するSI事業を拡大する契機としても活用しています。

*メガソーラー:発電量が1MW以上の大規模な太陽光発電設備。

メガソーラー発電事業の取り組み状況

NTTファシリティーズのメガソーラー発電事業は、国が推進する自然エネルギー普及・拡大の動きなどをうけ、2012年10月「F佐倉太陽光発電所」を構築したのを皮切りに、日本各地へと拡大を続けています。その実績も急速に拡大を続けており、2014年度末は50ヶ所117MWに達し、現在では57ヶ所132MW(2015年10月現在)が稼働しています。
中でも、2013年7月に竣工した「吉野ヶ里メガソーラー(12MW)」は、太陽光発電の普及を地域全体で推進する佐賀県の象徴的な取り組みとして内外の関心を集めています。
今後とも、メガソーラーをはじめとする太陽光発電事業を拡大させるとともに、得られたノウハウ・技術をお客さま設備の構築・保守に展開し、再生可能エネルギーの普及・拡大や社会全体の環境負荷低減に貢献し続けていきます。

■詳細は、ハイライト版13ページ 「Case03 自然エネルギーを積極活用した社会の実現」をご覧ください。

日本のメガソーラーの在り方を示す「吉野ケ里発電所」

2013年7月に竣工した「吉野ヶ里メガソーラー発電所」は、NTTファシリティーズの7番目の太陽光発電事業用サイトです。その規模は12MWと国内有数のものであり、想定年間発電量も12,850MWhと一般家庭の消費電力換算で約3,600世帯分に達するなど、市場拡大期に入った日本の太陽光発電産業をけん引する施設といえます。
同サイトは緊急時におけるライフスポットやEV充電器への電力供給など、地域のエネルギーセーフティネットとしての役割を果たします。
太陽光発電の普及を地域全体で推進する佐賀県の象徴的な取り組みとして注目される同サイトは、日本のメガソーラー事業の今後の可能性を示唆しています。

国内有数の規模となる吉野ケ里メガソーラー
国内有数の規模となる吉野ケ里メガソーラー
施設名称
:吉野ヶ里メガソーラー発電所 (愛称:てるてるの森)
設置場所
:佐賀県神埼市
発電開始
:2013年7月
設置容量
:12,077 MW(メガワット)
年間発電量
:12,850 MWh(一般家庭約3,600世帯分)

大橋事例 ~低炭素・低排出に寄与するファシリティの革新~

ファシリティに高まる期待

社会に浸透し経済活動を支えるファシリティに求められる環境性能は、CO2排出量の削減は勿論、省資源の徹底や汚染物質の抑制など、多岐にわたります。特に近年、企業に対し、自社のみでなく製品・サービスを通じた環境負荷低減にも積極的に貢献する姿勢が求められる中、低炭素・低排出なファシリティソリューションに注目が集まっています。

環境性能の明日を考える

新大橋ビルでは、最先端の環境配慮型ファシリティについての研究を多面的に推進しています。特に、自然エネルギーのさらなる有効活用や、設備全体でのスマートな電力管理といった「新世代のシステム」の構築にむけ、着実な成果をあげています。

スマートコミュニティの進化の鍵となる複合型再生可能エネルギーシステム

NTTファシリティーズでは、次世代のスマートコミュニティの電力供給システムとして、災害時にも安定した電力供給とクリーンエネルギーの積極活用とを両立する複合型再生可能エネルギーシステムを提供しています。
新大橋ビルでは、屋上に設置した太陽光発電、地下室に設置した難燃性リチウムイオン電池、そして需給管理装置により、同システムを構築しています。さらに、新電力からFITBEMSを介してデマンドレスポンスの要求を受け付けることで電力需給管理の検証を行うなど、地産地消型スマートコミュニティ実現に向けて研究開発を推進しています。

※ FITBEMS:
ICT技術を活用した、独自のビル・エネルギー・マネジメント・システム
複合型再生可能エネルギーシステム
新大橋ビルに導入された複合型再生可能エネルギーシステム概要
新大橋ビルに導入された複合型再生可能エネルギーシステム概要

複合型再生可能エネルギーシステム(商品・サービス紹介)

データセンターを統括的に管理・監視・分析・制御するDCIM

クラウドサービスの普及などを背景に、データセンターが担う役割は拡大しています。これをうけ、NTTファシリティーズでは、データセンターの統括的かつ効率的な運用をサポートするシステムとしてDCIMの開発に力を入れています。
NTTファシリティーズのDCIMでは、情報通信サービスを提供するICT装置だけでなく、空調設備や給電設備からの稼働情報と連携し、分析、連携制御を行います。これにより、データセンターの稼働状況に即したきめ細かい電力管理による消費電力の低減を実現すると同時に、設備スペースの効率的な設計・運用も可能としています。

※ DCIM:
データセンター・インフラストラクチャ・マネジメント
DCIM 管理・分析ツールの画面例
DCIM 管理・分析ツールの画面例
新大橋ビル「みせるサーバールーム」では、DCIMをお客さまに公開しています。

「Fデータセンター」を通じた貢献

クラウドサービスの普及などを通じデータセンターが社会に浸透を続ける現在、それらの環境負荷を低減することは大きなインパクトを持つようになりました。NTTファシリティーズグループでは、お客さまに提供する「Fデータセンター」においてグリーン化を多面的に推進しています。

データセンターの省電力化を実現する技術開発

情報化社会を支える施設として重要性が高く、オフィスの数十倍の電力を消費するデータセンターにおいて、データセンター全体の消費電力を最大65%低減する製品・技術の開発により、NTTファシリティーズは、「平成25年度 地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞しました。

(1)空調技術

外気冷熱を活用する高効率空調装置(FMACS-V hybrid)や、冷気を壁や屋根で区画し効率的に冷却する空調気流制御商品(AISLE CAPPING(アイルキャッピング))を開発し、提供しております。

FMACS-V hybrid 従来の空調装置との比較
FMACS-V hybrid 従来の空調装置との比較
高効率空調装置とAISLE CAPPING(アイルキャッピング)
高効率空調装置とAISLE CAPPING(アイルキャッピング)
(2)給電技術

直流と交流の電力変換段数を減らすことで電力損失を抑制する直流380V高効率給電システム(HVDC給電システム)を開発し、提供しております。

高電圧直流給電システムのメリット
高電圧直流給電システムのメリット
世界初HVDC給電用400Vコンセントが
米国安全企画「UL認証」を取得

 HVDC給電システムは、その普及が世界中で期待されている一方で、課題もあります。その大きなものとして、電流遮断時のアーク放電防止や、感電防止などの安全性への配慮があります。このような課題を解決するため、NTTファシリティーズと富士通コンポーネント(株)は共同でHVDC給電システムに適用できるコンセント(ソケットとプラグ)を開発し、2010年11月よりNTTファシリティーズが販売開始し日本国内のデータセンターを中心に導入されてきました。

 この度、このコンセントの安全性の高さが認められ、米国で最も知名度の高い国際的な第三者試験・認証機関であるULから、直流給電用ソケットおよびプラグの安全規格「UL 2695」の認証を、世界で初めて取得しました。既に日本においては400V級直流給電用コンセントが第59回(2014年)澁澤賞を受賞するなど、HVDC給電システムの安全性向上とその導入実績が認められていますが、今回の認証取得により、北米市場を始めとした世界各国でHVDC給電システムの導入拡大が期待されます。今後は欧州安全規格の取得を予定しています。

注:ULについて
UL(Underwriters Laboratories Inc. /アメリカ保険業者安全試験所)は、公共安全への寄与を目的として、1894年に米国で設立された100年を超える歴史を持つ独立試験・認証機関です。様々な製品規格の策定と、それらに順じた製品試験・認証サービスの提供を活動の核として、幅広い製品の安全性確保に寄与しています。 ULマークは米国の多数の州や自治体で採用され、消費者は、ULマークを品質や信頼の証として認識しています。
http://www.ul.com/
(3)ICT装置・空調装置・電源装置連係技術

ICT装置の運転状態に合わせて空調装置や電源装置を自動制御し電力消費の無駄を解消するICT装置?空調装置・電源装置連係技術を開発しています(開発中)。

ICT装置-空調装置・電源装置連係の一例
ICT装置-空調装置・電源装置連係の一例

幅広い皆様のエコに貢献する製品・サービス

各メーカーの照明機器をスマホで制御するFIT LC

オフィスビルの省エネに社会の関心が高まる現在、オフィス照明についても、必要な場所に必要な照度をきめ細やかに制御することが求められています。このようななか、多くの企業が独自の照明制御システムを開発していますが、その多くは照明器具と照明制御装置が同一メーカー製品であることが推奨され、また価格も高価になりがちでした。
NTTファシリティーズはアイリスオーヤマ(株)、(株)メガチップス、日比谷総合設備(株)と共同で「安価」で幅広いメーカーに汎用的に対応できる、無線制御式の個別調光照明制御システム「FIT LC」を開発しました。
同システムは、①照明をスマートフォンやタブレットで1灯ごとに制御できるためきめ細かい省エネが期待できる、②照明器具に国際標準規格対応の無線受信モジュールを取り付ける方式のため幅広いメーカーの照明器具で利用可能である、③明るさセンサや人感センサと組み合わせた自動制御も可能、といった様々なメリットを備えています。これらの結果、FIT LCの導入により最大で70%の照明消費電力が可能であり、あわせてLED照明への切り替えなどを行うことで更なる省エネも期待できます。

各メーカーの照明機器をスマホで制御するFIT LC

FIT LC(商品・サービス)

NTTグループ各社と連携したサイクルシェアリング事業

近年、ビジネスやプライベートでの移動に際し利用する交通機関を自転車へとスイッチすることで、身近なエコを実践するという動きが広まっています。このような中、NTTファシリティーズは2015年2月、(株)NTTドコモやNTT都市開発(株)、(株)NTTデータなどNTTグループ各社とサイクルシェアリング事業の提供を行う合弁会社「(株)ドコモ・バイクシェア」の設立に参加しました。
同社では、首都圏地域を中心に、モバイルやデータ解析といったICT技術を活用したサイクルシェリング事業を推進し、きめ細かいエコライフの実現への寄与を目指します。NTTファシリティーズは、自社がファシリティマネジメントサービスを提供する顧客への導入提案を行い、顧客企業のエコへの貢献も図る方針です。

NTTグループ各社と連携したサイクルシェアリング事業

被災地の復興に寄与する取り組み

現在、被災地において、地場産業の復興に環境技術を活用する試みが、さまざまな業種で展開されています。NTTファシリティーズもさまざまな取り組みを模索しており、現在は、スマートコミュニティの構築や自然エネルギーの普及に加え、植物工場の被災地での建設にも力を入れています。

青森県内初となる、医療法人・介護系事務所への植物工場の導入

津波の塩害などを受けた農地で農業を再開するには、土壌の浄化処理が不可欠であり、これが産業復興の妨げの一因となっています。人工的に管理された環境の中で、安全・安心な食物を、計画的に収穫する植物工場は、そうした地域に再び農業を復興させる上で注目されています。植物工場の建設には、植物栽培に最適なクリーンルームの設計や人工光源の管理といった設備技術が不可欠であり、ここにNTTファシリティーズの知見とノウハウが活かされつつあります。
2014年5月、NTTファシリティーズは、医療法人蛍慈会石木医院に対し、青森県で初となる医療・介護系事業所への植物工場の導入を行いました。この植物工場は、同医院が運営する外部利用も可能な高齢者施設のレストランでの食材提供を目的とし、小松菜、グリーンリーフなど多彩な植物の栽培を行っています。工場では長寿命で省電力な照明器具の採用に加え、病院施設に導入している温泉熱・地下水熱を利用した冷暖房設備を活用するなど、先進の環境配慮型植物工場といえます。

福島県伊達市の空き仮設住宅に小型植物工場導入

NTTファシリティーズは、2012年12月に福島県伊達市にある飯舘村の仮設住宅に設置した小型の「完全人工光型植物工場」を活用した被災地支援に取り組んでいます。農業とICTを融合させ、安全安心な野菜づくりを通じて、被災された住民の方々のコミュニティを再生し、生活の質を向上させることを目的に展開しています。
野菜の栽培は仮設住宅の住民の方が中心となって栽培を行い、植物工場の状態は、ICTを使って栽培管理者が遠隔地からモニタリングし、画像から生育状況を確認し、収穫時期などの決定に利用しています。これまでにリーフレタス、小松菜、水菜、サンチュ、青梗菜、バジル、イタリアンパセリを栽培し、収穫した野菜は、仮設住宅の約80世帯に配布しています。癖のない柔らかい野菜を楽しみにされている住民の方も多く、仮設住宅内のイベントでも収穫した野菜を使っています。
2014年度からは、地元の被災者支援NPOが運営に参加し、栽培棚の半分を利用して福島市内の飲食店10店舗程度に栽培した野菜をサンプルとして利用していただいています。
今後も、NPOや大学と連携し、住民のコミュニティ再生や近隣住民と交流などに、植物工場を有効的に活用していきたいと考えています。

  • 被災地の植物工場における作業の様子 画像01
  • 被災地の植物工場における作業の様子 画像02

被災地の植物工場における作業の様子

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